浜中騎手の「機転」がソウルラッシュの新たな一面“G1級”末脚引き出した/マイラーズC

<マイラーズC>

浜中騎手の「機転」がソウルラッシュを初重賞制覇へ導いた。ここまで好位差しで3連勝。先行力で強さを発揮してきたが、今回は「1歩目がうまくスタートできなくて」(浜中)後方に置かれた。普通なら慌ててポジションを取りにいくところだが、無理せず13番手に控えた。

午前中に降った雨の影響でやや重。力を必要とする馬場で負荷をかければ、それこそ体力を消耗する。走りのリズムを優先して、じっくり脚をためた。3コーナーでは先頭から10馬身以上。結果的に2番手のホウオウアマゾンが2着に残り、好位追走のファルコニアが3着という前残りの競馬でも、馬のポテンシャルを信じて乗った。

もちろん、浜中騎手も黙ってつかまっていたわけではない。4角ではいったん内ラチ沿いへ寄せてロスなく回り、直線入口で斜めに外へ。大外を回したエアファンディタとは対照的。コーナーをショートカットしてカラテの外へ持ち出す。あとは見ての通り。1頭だけ次元の違う脚(上がり34秒1)で差し切った。

スタートの出負けをプラスにとらえ、4角での絶妙なコース取りからしまいの瞬発力を生かす。浜中騎手の巧みな切り替えが“G1級”ソウルラッシュの新たな一面を引き出した。

ソウルラッシュ(中央右)がマイラーズCを制した(撮影・白石智彦)
ソウルラッシュ(中央右)がマイラーズCを制した(撮影・白石智彦)