良血馬続々 ハープ全弟「馬格が立派」/藤沢和厩舎

<美浦・藤沢和厩舎>

2歳馬取材のために藤沢和厩舎に向かうと、ちょうど他厩舎の2歳馬が通りかかった。それを見た師が「これはドゥラメンテ、こっちはモーリス」と次々と種牡馬を言い当てる姿に驚いた。さすがはJRA通算1496勝の巨匠。数々の名馬を管理してきた藤沢和厩舎には、今年も多くの良血馬が入厩予定だ。

ヒストリックスターの18(牡)は、全姉に14年桜花賞を制したハープスターがいる。「馬格が立派でいい馬。牧場での評価も高い。走りそうだよ。クラシックに連れて行かないとな」と言うように来春を意識する素質馬だ。

ラドラーダの18(牡)は、全兄に17年ダービー、18年天皇賞・秋を勝ったレイデオロ、19年エプソムCを勝ったレイエンダがいる厩舎ゆかりの血統。「兄(レイデオロ)とはタイプが違う。500キロくらいあってこの時期の兄よりも体が大きい。そういう意味でも楽しみがあるよ。もちろん、期待しています」と笑顔を浮かべる。

ラストグルーヴの18(牡)は、半兄が19年青葉賞2着のランフォザローゼス、半姉が今年のフラワーC2着のレッドルレーヴで、どちらも藤沢厩舎の管理馬だ。「この血統にしては仕上がりが早そうで期待している。6月の東京から使えると思う」と話す。

アンライバルドベルの18(牡)は、全姉に米G1を3勝したユニークベラがいる。「仕上がりが早い。坂路で馬なりで動けているし順調だよ。スピードがありそう」と期待を込める。

ピラミマの18(牝)は、全兄に18年大阪杯、19年ジャパンCを制したスワーヴリチャードがいる血統。同厩舎では、半姉ルナシオンを管理している。「姉もデビュー勝ちしたように能力がある。5月頃に連れてくるんじゃないかな」と好感触だ。

紙面に掲載した以外にも素質馬が多数。デートトゥリメンバーの18(牡、父カーリン)は昨年のキーンランド・セプテンバーセールで70万ドル。「しっかりしているし、スピードがありそう。坂路で馬なりで動けているし順調だよ」。

シーサイドホームの18(牡、父ディープインパクト)は「生まれが遅いのでゆっくり進めようと思っているけど、動きがいい馬だよ」。ハットシテグーの18(牡、父ペルーサ)は、藤沢厩舎の管理馬だったペルーサの初年度産駒。「いいよ。素直で扱いやすい。距離はあった方がよさそう。北海道の芝1800メートルを考えている」。クイーンオブトロイの18(牡、父ドゥラメンテ)は「父に似ている。性格が素直で手脚にも狂いがない。びっくりした」。レディオブオペラの18(牡、父ディープインパクト)は半姉レディマクベス、全姉バルトリも同厩舎の管理馬でともにデビューを勝利で飾っている。「気が良い血統。やっと男馬が出た。楽しみ」。ウォンビーロングの18(牝、父カジノドライヴ)は全姉が現オープンのレッドアネラ。「気がいい馬。素直で仕上がりが早そう」。スクイーズの18(牡、父オーストラリア)は、半姉にオーロラフラッシュがいる。「デビューは遅くなりそうだが、気がよさそうですごくいい馬」。【三嶋毬里衣】

★父・母・性・寸評

父ディープインパクト 母ヒストリックスター 牡

全姉に桜花賞馬ハープスター

父キングカメハメハ 母ラドラーダ 牡

全兄にダービー馬レイデオロ

父モーリス 母ラストグルーヴ 牡

半兄に青葉賞2着馬

父タピット 母アンライバルドベル 牡

全姉に米G1・3勝馬

父ハーツクライ 母ピラミマ 牝

全兄にG1馬スワーヴリチャード

父カーリン 母デートトゥリメンバー 牡

セプテンバーセールで70万ドル

父ディープインパクト 母シーサイドホーム 牡

近親に米G1・2勝馬

父ハーツクライ 母ドライヴンスノー 牡

動き良く、師の評価高い

父ペルーサ 母ハットシテグー 牡

父の初年度産駒

父ドゥラメンテ 母クイーンオブトロイ 牡

父の初年度産駒

父ディープインパクト レディオブオペラ 牡

きょうだい新馬勝ち

父カジノドライヴ 母ウォンビーロング 牝

全姉にレッドアネラ

父オーストラリア 母スクイーズ 牡

半姉にオーロラフラッシュ

ヒストリックスターの18
ヒストリックスターの18
藤沢和厩舎入厩予定の本紙注目2歳馬
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