軸はヴェル&ワーケア/ホープフルS

私は今、ベッドで布団にくるまり丸くなってこの原稿を書いている。

体温は38度2分。体内にインフルエンザウイルスの存在を強く感じている。

明日、病院に行ってなんとか薬をもらわねば、生きて年を越せないかもしれない。

有馬記念はアーモンドアイが勝つことができず悲しかったが、私よりもなぜか母が気にしており、「ルメールさん残念だったね」というメッセージを送ってくれた。

意外にも私はあまり気にしていない。元気ならまた走ってくれる。それだけでいいのだ。

さて、ホープフルS。年の最後を締めくくるレースとなるのは今年が最後になるようだ。

気持ち的には初詣で引くおみくじのようなもので、若き馬たちの戦いを観て、心晴れやかに新年を迎えたい。

2歳馬中山2000m、早熟な馬が活躍しそうなレースだが、馬券の軸は

(5)ヴェルトライゼンデと(7)ワーケアである。

ヴァルトライゼンデはドイツ語で、意味はワールドトラベラー、世界を旅するもの、である。最初はソーセージみたいな名前だなと少し思ったが、意味を知るとかっこいい。

ローテーション、コース、距離、馬場、鞍上。馬券の予想をするためにはさまざまな条件があると思うが、この馬に関しては、条件が完璧にそろってしまっているのである。追い切りも枠もよいとなればなおさら、買わないわけにはいかない。前から素直に行ってくれれば。

ワーケア。一応こちらも書いておこう。名前の意味は、ハワイ神話での空の神だ。旅行者に比べるとずいぶん強い気がしてくる。

鞍上人気しそうだなという気がするが、私がこの馬を買う理由は鞍上ではない。この馬はみんな大好きハーツクライ産駒だが、この私がパッと見てそう気づけないほど、父親と馬体が違うのだ。簡単に言うと、胴が短い。

胴長で、スタミナ戦を得意とするハーツクライ産駒に対し、瞬発力のある短い胴をもつこの馬は、その短い胴に筋肉をもりもりと蓄えている。初めての中山となるが、坂にも対応できるだろう。早熟タイプではないので、まだ未成熟な部分もあるが、期待を込めて本命とする。

他の有力馬は以下だ。

(2)コントレイル。内枠でもまれて前に出づらくなり、1番人気なのに4着という最近の流れをどうにかしてほしい。福永騎手は好きだが、最近詰まらせすぎと思うのは私だけではないだろう。

馬の実力としては頭一つ抜けているのに、本命で買えないのはストレスである。ここできちんと勝って、予想を裏切ってほしい。

(3)ブルーミングスカイ。花盛りの空という素敵な名前である。すでに2000mを3走経験しているアドバンテージを活かし、好位置につくことができれば馬券圏内はじゅうぶん期待できるだろう。

(6)ナリノモンターニュ。人気薄のM・デムーロ騎手は買え、という言葉があったが、そのまま勝てない流れが続いているせいで、人気薄のまま終わってしまうことが多い。それとは関係なく、この馬は買いだ。ヴィクトワールピサ産駒、前走の未勝利レースでの走りは妖艶だった。きっと出遅れるんだろうなとは思っているが、この馬は先行より、脚をためてためて最後の直線で末脚を使う方があっているし、デムーロ騎手もそれをわかった上で勝ちに来るだろう。今レースの穴馬である。

(11)オーソリティ。名前の意味は訳しづらいが、威厳、威信といった意味だろうか。この馬に関しては、父馬オルフェーブルのように、という前文句がついているので、名前の意味も急に重いものになる。期待通り、2戦2勝、芙蓉Sでは中山の2000mを攻略済みである。外枠だが、13頭立ての11番はむしろ走りやすいだろう。ワーケアと、どちらを軸にするか実は今も悩んでいるほど強い馬なのだが、とりあえずは2着からと予想する。来年のクラシックでも活躍しそうな馬である。

(13)ラインベック、内枠が詰まったらこの馬に可能性が出てくる。外枠だが、スローペースなら先行で粘り勝ちを獲りに行く競馬ができる。このレース、超スローになると私は思っているので、この馬には期待している。父ディープインパクト、母アパパネという超良血なのに、名前の由来がNY州にある田舎町というのも、好感度が高い。

以上から、宇田川の買い目は、

3連単フォーメーション、(5)(7)→(2)(5)(6)(7)(11)→(2)(3)(5)(6)(7)(11)(13)である。

熱でもうろうとしてはいるが、馬を見る目は狂っていない。

みなさま、よいお年を!