英G1ジュライC挑戦のキングエルメス、近親に仏G1馬など欧州向きの血統
英国のニューマーケット競馬場を舞台とするG1ジュライC(3歳上、芝直線1200メートル)が9日土曜に行われます。今年は日本のキングエルメス(牡3、父ロードカナロア、矢作)が挑戦。坂井瑠星騎手とともに世界にチャレンジします。
英国の1200メートル路線はロイヤルアスコット開催中に行われたコモンウェルスC(3歳限定)とプラチナジュビリーS(4歳上)に始まって、このジュライCで3歳馬と古馬が激突。そして、秋はヘイドック競馬場を舞台とする9月のスプリントC(3歳上)、そして、アスコット競馬場で10月に行われる英チャンピオンズスプリント(3歳上)で締めくられます。
G1ジュライCの総賞金は60万ポンド(約9720万円)、優勝賞金は34万260万ポンド(約5512万円)で、日本のG2重賞と同程度。賞金は6着(8100ポンド、約130万円)まで支給されます。舞台となるのはニューマーケット競馬場のバンベリーマイル、通称ジュライコースの直線1200メートル。出走資格はおおむねレーティング80以上となっていますが、80が指す条件クラスの馬ではとても勝負にならず、これはあくまでも目安に過ぎません。ここ10年は5歳以上が1勝、4歳が5勝、3歳が4勝。レースレコードは13年のリーサルフォースによる1分9秒11です。
今年は14頭立てとなりました。人気の中心は前走のG1コモンウェルスCを制して地元3歳馬の代表として駒を進めるパーフェクトパワー(牡3、父アーダッド)。それにG1プラチナジュビリーS3着から英国に居残って巻き返しを狙うアルトーリアス(牡4、父フライングアーティ)の2頭。これにプラチナムジュビリーSで金星を挙げたネイヴァルクラウン(牡4、父ドバウィ)、首差2着だったクリエイティブフォース(せん4、父ドバウィ)、サッカー元イングランド代表のマイケル・オーウェン氏が所有し、コモンウェルスCで2着したフレイミングリブ(牡3、父リヴチェスター)を加えた5頭が争覇圏内とみられています。
キングエルメスは単勝34倍で12番人気タイです。芝1200メートルは新馬戦(1着)以来2度目、直線競馬は初めてになります。ロードカナロア産駒は英国調教馬のノウイットオールが、アイルランドでG3デリンズタウンスタッドフィリーズS(レパーズタウン、芝1600メートル)に優勝、オーストラリアでの産駒タガロアはG1ブルーダイアモンドS(コーフィールド、芝1200メートル)と、G3のCSヘイズS(フレミントン、芝1400メートル)を制していてスピードの裏付けは十分。キングエルメスの近親にはフランス2歳のマイルG1グランクリテリウム(現ジャンリュックラガルデール賞=芝1400メートル)に勝ち、G1愛2000ギニー3着のセカンドエンパイアがいて血統は欧州向きを示しています。初ものずくめのここで、どんな競馬が見られるか注目したいと思います。キングエルメスはこのあと8月7日のG1モーリスドゲスト賞(ドーヴィル、芝1300メートル)に転戦する予定になっています
◆ジュライC(7月9日、ニューマーケット、芝直線1200メートル)
上から(ゲート番)馬番 馬名(父)騎手
(1)8ハッピーロマンス(ダンディマン)
S・リヴィー
(2)11フレイミングリヴ(リヴチェスター)
B・カーティス
(3)14トワイライトジェット(トワイライトサン)
L・ロシュ
(4)2ブラックロッド(メイスン)
C・ビーズリー
(5)7ダブルオアバブル(イクシードアンドイクセル)
J・ミッチェル
(6)12キングエルメス(ロードカナロア)
坂井瑠星
(7)9ロマンティックプロポーザル(レイヴンズパス)
C・ヘイズ
(8)13パーフェクトパワー(アーダッド)
C・スミヨン
(9)3クリエイティブフォース(ドバウィ)
W・ビュイック
(10)10 カダモスト(ノーネイネヴァー)
S・ヘファナン
(11)4エマラーティアナ(シャマーダル)
T・イーヴス
(12)1アルトーリアス(フライングアーティ)
J・スペンサー
(13)5ネイヴァルクラウン(ドバウィ)
J・ドイル
(14)6アルコールフリー(ノーネイネヴァー)
R・ホーンビー
(ターフライター奥野庸介)
競走成績は7月8日現在
- キーボードを交換。7色に変化します
- 主演のマギーQは麻生久美子に似てました