昨年の最優秀2歳牡馬ネイティブトレイルなど春の欧州牡馬クラシック候補紹介

英国の芝の平地競走が3月26日のドンカスター競馬場開催から始まりました。例年通りのスケジュールであれば、牡馬クラシックは4月30日の英2000ギニー(G1、芝1600メートル、ニューマーケット)で開幕し、2週後の5月15日(日曜)には仏2000ギニー(G1、芝1600メートル、パリロンシャン)が開催されます。英2000ギニーから3週後となる5月21日(土曜)に愛2000ギニー(G1、芝1600メートル、カラ)で2000ギニー戦線が終了。英ダービー(G1、芝2410メートル、エプソムダウンズ)は6月4日(土曜)の予定です。

春のクラシックで誕生するスターホースは6月14日から始まる英国ロイヤルアスコット開催で次のステージに進みます。シーズンは始まったばかりですが、この春の欧州牡馬クラシック候補を紹介しておきましょう。

牡馬クラシック戦線をリードするのは昨年のカルティエ賞最優秀2歳牡馬を受賞した“ゴドルフィン”のネイティブトレイル(牡3、父オアシスドリーム、英C・アップルビー厩舎)です。昨年は4戦全勝。2戦目のG2スーパーレイティブS(芝1400メートル、ニューマーケット)、3戦目のG1ヴィンセントオブライエンナショナルS(芝1400メートル、カラ)、そして2歳王者決定戦のG1デューハーストS(芝1400メートル、ニューマーケット)も制して無傷で2歳シーズンを終えました。

父のオアシスドリームは2歳牡馬チャンピオンに輝いたスプリンター、近親にG1スプリントC(芝1200メートル)の覇者アフリカンローズや、G1デューハーストSに勝って種牡馬になったディスタントミュージックがいます。英国のブックメーカーは英2000ギニーの前売りで6・0倍、仏2000ギニーで7・5倍の1番人気。血統的には距離の壁がありそうですが、英ダービーより距離が約300メートル短いG1仏ダービー(芝2100メートル、シャンティイ)に回ればということで、ここでも1番人気になっています。

英2000ギニー戦線でこれと並立するのが、ネイティブトレイルの僚馬で3戦2勝のコロイバス(牡3、父ドバウィ、英C・アップルビー厩舎)と、3戦不敗のアイルランド調教馬ルクセンブルク(牡3、父キャメロット、愛A・オブライエン厩舎)の2頭です。

コローバスはドバイワールドCを連覇して、日本で種牡馬入りしたサンダースノー(父ヘルメット)のおい。昨年の3走はすべてニューマーケット競馬場の芝1600メートル戦で、2戦目のG2ロイヤルロッジSは勝ったロイヤルパトロネージに首差の2着でしたが、続くG3オータムSで巻き返してシーズンを終えました。血統は父ドバウィ、母の父がガリレオ直子のテオフォロで、マイルやそれ以上の距離が良さそうなタイプです。英ダービーの前売りオッズでは13・0~21・0倍になっています。

クールモアのルクセンブルクはデビュー2戦目にG2ベレスフォードS(芝1600メートル、カラ)に優勝、3戦目のG1フューチュリティトロフィー(芝1600メートル、ドンカスター)を差しきって3連勝を飾りました。父のキャメロットは3歳時に英2000ギニー、英ダービー、愛ダービーを制しています。こちらは2400メートル向きで、英ダービーで3・5~5・0倍の1番人気になっています。

ルクセンブルクと同じ“クールモア”のポイントロンズデール(牡3、父オーストラリア、A・オブライエン厩舎)は昨年のジャパンカップに参戦したブルームの全弟。G3タイロスS(芝1400メートル、レパーズタウン)とG2フューチュリティS(芝1400メートル、カラ)まで4連勝して臨んだG1愛ナショナルS(芝1400メートル、カラ)はネイティブトレイルの2着でした。こちらも距離が延びて真価を発揮しそうなタイプ。英ダービーでは10・0~13・0倍の3番人気になっています。

英ダービーの候補にはエリザベス女王の愛馬リーチフォーザムーン(牡3、父シーザスターズ、英J&T・ゴスデン厩舎)の名前も挙げられています。昨年は5戦してG3ソラリオS(芝1400メートル、サンダウン)など2勝、2着3回。父のシーザスターズ、母の父サドラーズウェルズともにダービー向きの血統で固められています。

フランスクラシック候補の筆頭は3戦2勝のヴァディニ(牡3、父チャーチル、仏J・C・ルジェ厩舎)です。アガ・カーン殿下の緑の勝負服で鞍上はクリストフ・スミヨン騎手。初黒星となった9月のG3コンデ賞(芝1800メートル、シャンティイ)は、仏ダービーで前評判の高いエルボデゴンの3着でしたが、マイルに戻れば巻き返し可能という見方のようです。

G1仏ダービーでネイティブトレイルと人気を分けるエンジェルブリュー(牡3、父ダークエンジェル、英R・ベケット厩舎)は昨年4月のデビュー戦から10月のG1クリテリウムアンテルナシオナル(芝1600メートル、サンクルー)まで8戦5勝。いずれも道悪が舞台となったG2ヴィンティージS(芝1400メートル、グッドウッド)、G1ジャンリュックラガルデール賞(芝1400メートル、パリロンシャン競馬場)、そして、クリテリウムアンテルナシオナルまで重賞を3連勝しました。父はスピードタイプのダークエンジェルですが、近親にはブリーダーズカップターフなどG1・7勝のハイランドリール、英ダービー3着馬でジャパンカップ(シュヴァルグランの5着)に参戦したアイダホなどがいて母系にスタミナ豊富を思わせています。英国調教馬ですが、生まれ故郷の仏ダービーが目標です。

前出のエルボデゴン(牡3、父コディアック、英J・ファーガソン厩舎)は5戦3勝。英国調教馬ながらフランスに遠征してG3コンデ賞(芝1800メートル、シャンティイ)とG1クリテリウムドサンクルー(芝2000メートル、サンクルー)を連勝しました。父はコンスタントに活躍馬を送るコディアックで、全兄には18年のG1ベルリン大賞、G1バーデン大賞、G1コーフィールドCを制した“ゴドルフィン”のベストソリューションがいます。(ターフライター奥野庸介)

※競走成績等は2022年4月1日現在

※来週8日のコラムは休載します。次回は15日(金)更新予定です。

東京の桜の季節もそろそろ終わりに。さようなら。
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帰ってきた崖っぷち男の山田準さん。おかえりなさい。
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