意外にも好成績 ダートイメージ強い種牡馬が芝のトップ10

米国からブラッドホース誌が届きました。以前の週刊から月刊にリニューアルされてはや1年。「競馬ブック」が「月刊優駿」になったようなもので速報性はなくなりましたが、その分、特集が厚みを増しました。2月号の表紙はイントゥミスチーフ。特集は「リーディングサイアーズオブ2021」でした。パラパラとめくって拾い読みしていたら、特集の中にターフサイアーランキングの首位になったイングリッシュチャンネルの記事に目がとまりました。日本と逆に米国ではマイナーな芝の競馬ですが、芝馬にこだわりを持つ生産者も少なくなく、それなりに競争は熾烈(しれつ)です。

2015年からの北米芝馬チャンピオンサイアーは以下の通りです。

15年キトゥンズジョイ(父エルプラド、祖父サドラーズウェルズ)

16年キトゥンズジョイ

17年キトゥンズジョイ

18年キトゥンズジョイ

19年ジャイアンツコーズウェイ(父ストームキャット、祖父ストームバード)

20年イングリッシュチャンネル(父スマートストライク、祖父ミスタープロスペクター)

21年イングリッシュチャンネル

15年から18年までリーディングを独占したキトゥンズジョイは、サドラーズウェルズの血を米国に定着させた功労馬。祖父のエルプラドからは大物を出すことで知られるメダグリアドーロ(輸入種牡馬のタリスマニック=G1BCターフ、香港のゴールデンシックスティの父)も出しています。19年のジャイアンツコーズウェイは、後に輸入されたブリックスアンドモルタルの獅子奮迅の活躍によるもの。そして、2年連続でチャンピオンに輝いたイングリッシュチャンネルはミスタープロスペクター系スマートストライクの産駒。スマートストライクの代表産駒は年度代表馬に2度輝いたカーリンですが、日本では共同通信杯を制したブレイクランアウト、ダート重賞を6勝したアムールブリエが出ています。21年の働き頭は、G1のBCフィリーアンドメアターフでラヴズオンリーユーの3着したウォーライクゴッデスでした。

次は21年の米国芝馬10傑です。【】は日本で走っている産駒です。

21年の北米芝馬リーディングサイアー・トップ10

1位イングリッシュチャンネル(父スマートストライク)【日本での主な産駒にゾロ】

2位アンクルモー(父インディアンチャーリー)【アヴァンセ、ハリーバローズ】

3位キトゥンズジョイ(父エルプラド)【ジャンダルム、アメリカンマッハ】

4位イントゥミスチーフ(父ハーランズホリデー)【ジゲン、イモータルスモーク】

5位モアザンレイディ(父サザンヘイロー)【ジャングロ】

6位ウォーフロント(父ダンジグ)【フォッサマグナ、デュアルキャリー】

7位トワイリングキャンディ(父キャンディライド)

8位テンプルシティ(父ダイナフォーマー)【コスモセイリュウ】

9位メダグリアドーロ(父エルプラド)【ダノンシティ、ノクターンノーツ】

10位アメリカンファラオ(父パイオニアオブザナイル)【カフェファラオ、ダノンファラオ】

トップのイングリッシュチャンネルをはじめ、いずれも素晴らしい種牡馬ばかりです。ちょっと意外なのはアンクルモー、イントゥミスチーフがこのリストに入っていることです。アンクルモーは総合ランキングで8位、イントゥミスチーフは首位で、ダート向きのイメージが強い馬ですが、芝で好成績を挙げている点は見逃せません。

日本には芝向きの良い種牡馬がそろっているので、その間隙(かんげき)を突くのは骨ですが、芝のレースでこそ、米国血統を狙って逆張りする手はないでしょうか。

特にイングリッシュチャンネル、アンクルモー、キトゥンズジョイ、イントゥミスチーフの産駒が芝のレースに出てきたら、ちょっと注目してほしいと思います。(ターフライター奥野庸介)

※競走成績等は22年2月18日現在。

月刊ブラッドホースの表紙。精悍(せいかん)なイントゥミスチーフ!
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先週は日高各地の種牡馬展示会で東京ー北海道を2往復!
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