筆者独自指数をもとにはじき出した有力馬は・・・
今年の凱旋門賞は区切りの100回目。過去2年の印象から、道悪巧者でなければ勝てないという声が大きくなっていました。フランスギャロは仮に雨が降っても泥田のようにはならない馬場でのレースを目指し、夏の期間中はコースの内側の芝を保護してきました。
仮柵が外されて直線に向いて幅員が一気に広がるオープンストレッチの使用もあって、本番は内ぴったりを走った馬の有利を想像させています。しかし、日曜の天気予報は雨。それも10ミリ以上の大雨が降る予想が出されています。
昨年や一昨年のようなひどく荒れた馬場になってしまうのか、馬場整備のかいあって、それよりましな芝が望めるのか・・・。レース直前まで馬場状態に気を配る必要がありそうです。
木曜に確定した出走馬は15頭。アダイヤーとスノーフォールが12万ユーロ(約1560万円)を支払って追加登録を済ませました。追加登録の制度は06年から始まっていますが、これまで24頭が実行しています。11年のデインドリーム、13年のトレヴ、15年のゴールデンホーン、17年のエネイブルが見事に優勝をつかみ、18年のシーオブクラスはあわやの2着に善戦しています。
筆者は出走馬の力量比較の物差しとなるように独自の指数を出しています。指数はまず(1)出走各馬の公表されている能力指数〈英国のタイムフォームレイティングを使用〉をベースにして(2)古牡馬の負担重量(59・5キロ)を基準として、それより軽量の馬は負担重量差1キロを1ポイントとして加算。これに(3)本番と同じ舞台での出走経験、なおかつ優勝経験の有無(パリロンシャンで走った経験のある馬は+、優勝している馬は++)(4)馬場悪化が予想されるので重馬場、不良馬場での優勝経験(ソフトやイールディングで優勝経験のある馬は++)(5)ロンシャン、2400メートルの重、不良での勝ち鞍((4)にさらに上乗せ++)を積み重ねて数値化してあります。
指数の上位馬は以下のようになりました。
・ハリケーンレーン 144
・タルナワ 141・5
・アダイヤー 141
・ディープボンド 136
・スノーフォール 135・5
・クロノジェネシス 131・5
勝ち馬は、たぶんこの中から出ると思います。
指数で断然トップになったハリケーンレーンには英セントレジャー優勝から凱旋門賞馬になった馬はないというジンクスがあり、アダイヤーは出走を予定していたニエル賞を後肢の感染症で回避し、順調さを欠いた不安があります。ヴェルメイユ賞の敗戦でブレーキがかかったスノーフォール、急な鞍上変更に戸惑うディープボンド、あいにく外枠を引いてしまったクロノジェネシスとそれぞれに死角を抱える中で、マイナス材料が見られないタルナワの1番人気はうなずけるものがあります。
枠順を含めた直前情報をもとに導き出した印と買い目は2日更新の極ウマ「奥の手」と、2日付の日刊スポーツで掲載されます。ご参考にしてください。
10月1日現在の凱旋門賞前売りオッズは以下の通りです。
・タルナワ(牝5、父シャマーダル、愛D・ウエルド)3・25~4・0
・アダイヤー(牡3、父フランケル、英C・アップルビー)3・5~4・0
・ハリケーンレーン(牡3、父フランケル、英C・アップルビー)4・5~5・0
・スノーフォール(牝3、父ディープインパクト、愛A・オブライエン)5・5~6・0
・クロノジェネシス(牝5、父バゴ、斉藤崇)9・0~13・0
・ラブ(牝4、父ガリレオ、愛A・オブライエン)15・0~23・0
・ラービアー(牝4、父シーザスターズ、仏JC・ルジェ)17・0~26・0
・ディープボンド(牡4、父キセキ、大久保)17・0~29・0
・アレンカー(牡3、父アドラーフルク、英W・ハガス)21・0~34・0
・モジョスター(牡3、父シーザスターズ、英R・ハノン)26・0~51・0
・シリウェイ(牡3、父ガリウェイ、仏C・ロッシ)29・0~41・0
・ブルーム(牡5、父オーストラリア、愛A・オブライエン)51・0~67・0
・トルカータータッソ(牡4、父アドラーフルク、独M・ヴァイス)67・0~81・0
・ベイビーライダー(牡3、父グレンイーグルス、仏P・バリー)67・0~101・0
・バブルギフト(牡3、父ナサニエル、仏M・デルザングル)67・0~101・0(ターフライター奥野庸介)
※競走成績等は2021年10月1日現在。
- ラッピングされた凱旋門。出張中の三原くん撮影。
- 木曜のパリターフ。タイトルは日本勢大爆発(?)