凱旋門賞の前哨戦終了し日本馬高評価、覇を競うタルナワなど人気馬振り返り

凱旋門賞の前哨戦が終わって、本番での日本馬の評価がぐんと上がりました。G2フォワ賞の快勝で、日本馬恐るべしを印象づけたディープボンド(牡4、父キズナ、栗東・大久保龍志厩舎)はもちろん、まだ見ぬ強豪となるクロノジェネシス(牝5、父バゴ、栗東・斎藤崇史厩舎)にも高評価が寄せられています。結論は本番の直前まで持ち越しますが、今年はリアルに勝利をイメージできそうです。

日本馬と覇を競うのはアイルランドのタルナワ(牝5、父シャマーダル、D・ウェルド厩舎)、ドバイのモハメド殿下率いる“ゴドルフィン”のアダイヤー(牡3、父フランケル、C・アップルビー厩舎)とハリケーンレーン(牡3、父フランケル、C・アップルビー厩舎)、それにアイルランドの“クールモア”に所属する日本生まれのスノーフォール(牝3、父ディープインパクト、A・オブライエン厩舎)の4頭でしょう。

5歳牝馬のタルナワは堅実な末脚が命。馬に実が入った昨年は4戦全勝。今年は2戦1勝で、前走のG1愛チャンピオンSは僅差の2着でした。ロンシャンの芝2400メートルを昨年のG1ヴェルメイユ賞で経験しているのは心強く、その後のG1オペラ賞(芝2000メートル、ロンシャン)ではドロドロの不良馬場を克服と、馬場を問わない強みがあります。

3歳牡馬の代表として挑むアダイヤーはG1英ダービーとG1キングジョージ6世&クイーンエリザベスSの勝ち馬。英ダービーは7番人気での優勝で、フロック視する向きもありましたが、ミシュリフ、ラブ、ブルームなど古馬一線級を倒した“キングジョージ”で押しも押されもしない王者となりました。英ダービー、キングジョージ、凱旋門賞の3連勝がなれば95年のラムタラ以来の快挙です。

この僚馬となるハリケーンレーンは、英ダービーで3着の後、G1愛ダービー、凱旋門賞と同じ舞台で行われたG1パリ大賞、前走のG1英セントレジャーまで3連勝中。2頭はともにW・ビュイック騎手のお手馬。本番での選択に注目が集まります。

2頭はともにフランケル産駒のステイヤーということで共通していますが、レーティングはアダイヤーが上。しかし、ハリケーンレーンにはコース経験の強みがあって凱旋門賞の舞台では甲乙つけ難し。ひとつ気になるジンクスは、英セントレジャーと凱旋門賞を連覇した馬が、まだ1頭もいないこと(57年のバリモスは翌年の凱旋門賞を制覇)です。

大本命を裏切ったG1ヴェルメイユ賞の敗戦(2着)で大きく株を落としたスノーフォールですが、コース経験を生かして巻き返す余地を残していて、まだ見限ることは出来ません。前走を見る限り、まだ馬に若さが残り、ラチ沿いを走った方が力が出せる様子です。どうやら本番は主戦のR・ムーア騎手に手が戻りそうな気配。直線まで脚をためて弾ければ、あっさりのシーンもありそうです。

もう1頭挙げれば、昨年の前売り1番人気だったラヴ(牝4、父ガリレオ、A・オブライエン厩舎)でしょう。今シーズンは1、3、3、2着と勢いが止まりましたが、前走のG2ブランドフォードSの走りに復調気配がうかがえました。存在感は薄くなっていますが、折り合えば巻き返しもありそうです。

凱旋門賞の出否を明らかにしていない大物は2頭。G1愛チャンピオンSでタルナワを下して中距離の絶対王者ぶりを披露したセントマークスバシリカ(牡3、父シユーニ、A・オブライエン厩舎)と、対セントマークスバシリカでは2戦2敗と相性が良くないもののダートのサウジC、芝2410メートルのG1ドバイシーマクラシック、そして前走のG1英インターナショナルS(芝2050メートル)を6馬身差で完勝と全方位的な強さを発揮するミシュリフ(牡4、父メイクビリーヴ、J&T・ゴスデン厩舎)です。

ミシュリフはドバイで勝ち鞍があるものの、2頭はともに中距離で最も能力を発揮するタイプ。出走に踏み切った場合も距離が大きな鍵を握るでしょう。

松島正昭氏がクールモアと共同所有し、武豊騎手とコンビを組む可能性のあるオブライエン厩舎の2頭ブルーム(牡5、父オーストラリア)とジャパン(牡5、父ガリレオ)は実績で他に譲ることは否めませんが、立ち回り次第で入着の希望は残されています。

9月16日現在の主要ブックメーカーによる凱旋門賞の前売オッズは以下の通りです(上位人気馬と参戦予定の日本馬のみを抽出)

タルナワ(牝5、父シャマーダル、愛D・ウエルド厩舎) 3・5~4・0倍

アデイヤー(牡3、父フランケル、英C・アップルビー厩舎)※ 4・0~4・5倍

スノーフォール(牝3、父ディープインパクト、愛A・オブライエン厩舎)※ 4・5~7・0倍

ハリケーンレーン(牡3、父フランケル、英C・アップルビー厩舎) 5・0~6・5倍

ティオナ(牝3、父シーザスターズ、英R・ヴァリアン厩舎) 7・0~21・0倍

セントマークスバシリカ(牡3、父シユーニ、愛A・オブライエン厩舎) 9・0~17・0倍

クロノジェネシス(牝5、父バゴ、栗東・斉藤崇史厩舎) 10・0~15・0倍

ミシュリフ(牡4、父メイクビリーヴ、英J&T・ゴスデン厩舎) 10・0~15・0倍

ディープボンド(牡4、父キセキ、栗東・大久保龍志厩舎) 17・0~21・0倍

メアオーストラリス(牡4、父オーストラリア、仏A・ファーブル厩舎) 17・0~34・0倍

ラービハー(牝4、父シーザスターズ、仏J・C・ルジェ厩舎) 19・0~26・0倍

ラブ(牝4、父ガリレオ、愛A・オブライエン厩舎) 19・0~26・0倍

モハーフェス(牡3、父フランケル、英W・ハガス厩舎) 26・0~34・0倍

トルクァートルタッソ(牡4、父アドラーフルク、独M・ヴェイス厩舎) 34・0~51・0倍

バブルギフト(牡3、父ナサニエル、仏M・デルザングル厩舎) 41・0~81・0倍

ブルーム(牡5、父オーストラリア、愛A・オブライエン厩舎) 51・0倍

ジャパン(牡5、父ガリレオ、愛A・オブライエン厩舎) 51・0~67・0倍

※は出走に追加登録が必要な馬

(ターフライター奥野庸介)

※競走成績は2021年9月16日現在。

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