条件クラスの国際競走新設で思う レーティングによるクラス分けの検討を

JRAの場合、重賞競走とオープン競走については国際競走として外国馬(国際交流競走に出走する外国調教師の管理馬)に門戸を開いていますが、条件戦についてはこの限りではありませんでした。

JRAが今年のジャパンCウイークから条件クラスの国際競走を新設することになりました。これはG1のジャパンCやチャンピオンズCへの参戦を目的に来日する馬の帯同馬、調教パートナーやコンパニオンホースにも日本で出走のチャンスを与えようというものです。ダート馬のためには2勝クラスの一般競走と3勝クラスのシャングリラS(ともに東京ダート1400メートル)、芝馬には2勝クラスのオリエンタル賞と3勝クラスのシャングリラS(ともに東京芝2000メートル)の4競走が開放されます。

今回の改革がすぐにジャパンCやチャンピオンズCの一流馬誘致につながるわけではないでしょうが、海外のように1日に複数の重賞をまとめて行うことが難しいJRAにとって最善の「次善の策」と言えそうです。

しかし、1つ気になるのは出走条件が、海外で採用されるレーティングでのクラス分けではなく、日本流の○勝クラスとされていることです。

極端な例になりますが、今年の英ダービー2着馬で、愛ダービーでも5着のモジョスターはまだ未勝利。重賞入着馬には別のルールが設けられるのかもしれませんが、モジョスターが8月以降の一般戦に優勝して1勝馬、あるいは2勝馬となって来日した場合、(2勝クラスの)オリエンタル賞に堂々と出られることになりますし、米国でクレイミングホースと呼ばれる転売目的で走っている馬の中には地元だけで勝ち星を重ねるものも少なくなく、3勝していてもレベルの高い日本の準オープンの壁は厚いように思えます。

勝ち星の数ではなくレーティングによるクラス分けをしているお隣の香港を例に見てみます。レーティング40までのクラス5を入り口にしてクラス4(レーティング41~60)、クラス3(レーティング61~80)、クラス2(レーティング81~100)、クラス1(オープン)の5ステージに分類されています。これ以外にグリフィンと呼ばれる新馬戦、4歳3冠などの4歳馬限定のレースもあります。

それぞれのクラスは越境することが出来て「クラス2」にレーティング75の馬が格上挑戦することも可能です。負けが続くとレーィングは下がるので、海外成績を基準に香港転入時に「クラス3」に格付けされた馬が、「クラス4」に降格して走っている姿も見かけます。

レーティングは香港ジョッキークラブが、その馬が出走するごとに着順、着差などを勘案してつけてゆきます。このレーティングは香港競馬だけに適用されるもので、ワールドベストレースホースランキングの世界的なレーティングとは異なります。年度代表馬ゴールデンシックスティは香港レーティングが131、ワールドベストレースホースランキングのレーティングは120でした。

ファンに分かりやすくとして導入した「○勝クラス」もシンプルでいいのですが、そろそろレーティングによるクラス分けについても前向きに検討しておくべきかもしれませんね。(ターフライター奥野庸介)

※競走成績は2021年8月6日現在。

懐かしい写真が出てきました。Mr.Keiba野平祐二さんの隣りは3冠馬ニジンスキー!
懐かしい写真が出てきました。Mr.Keiba野平祐二さんの隣りは3冠馬ニジンスキー!
なつかしい写真。若き天才ジョッキーと通りすがりの人
なつかしい写真。若き天才ジョッキーと通りすがりの人