ディープボンドのライバルはラブ、ミシュリフ、タルナワ/凱旋門賞

ドバイ遠征(1番人気のG2UAEダービーで6着)から帰国した森厩舎のフランスゴディナ(牡3、父ウイルテイクチャージ)が5日、米国に向けて旅立ちました。

15日に東部メリーランド州のピムリコ競馬場で行われるプリークネスS(G1、ダート1900メートル)に出走するためです。フランスゴデイナの最大の目標は日本調教馬の優勝に100万ドル(約1億1000万円)のボーナスが出される6月5日のベルモントS(G1、ダート2400メートル、ベルモントパーク)でしたが、レーティング不足が指摘されたため、フルゲート割れが予想されるG1プリークネスSで結果を出して・・・という展開になったものと思われます。

プリークネスSにはG1ケンタッキーダービー優勝馬のメディーナスピリット、2着に食い下がったマンダルーン、それにメディーナスピリットと同じB・バファート厩舎で、ケンタッキーダービーは調整不足を理由に回避したコンサートツアーなど12頭が出走を予定しています。

まだキャリアの浅いフランスゴデイナ(4戦2勝)にとってハードルはかなり高そうですが、同厩舎のピンクカメハメハが制した2月のサウジダービーと同様のサプライズを期待したいと思います。

5日には天皇賞・春で2着したディープボンド(牡5、父キズナ、栗東・大久保龍志厩舎)のG1凱旋門賞及び、その前哨戦のG2フォワ賞参戦が発表されました。ステイヤータイプでスタミナがあって、道悪にも強いディープボンドにとってはベターな選択だと思います。

いまの段階で凱旋門賞の有力候補に挙げられているのは古馬のラブ(牝4、父ガリレオ、愛A・オブライエン厩舎)、ミシュリフ(牡4、父メイクビリーヴ、英J・ゴスデン&T・ゴスデン厩舎)、それにタルナワ(牝4、父シャマーダル、愛D・ウェルド厩舎)の3頭。これに6月以降に行われる英、仏、愛のダービー、オークスの勝ち馬が加わることが予想されます。

ディープボンドの最大のライバルとなりそうなラブはこれまで10戦6勝。昨年はG1の英1000ギニー、英オークス、ヨークシャーオークスまで3連勝して、凱旋門賞(出走を回避)でもエネイブルと並ぶ1番人気になりました。陣営は5月23日のタタソールズゴールドC(G1、芝2100メートル、カラ)、6月4日のコロネーションC(G1、芝2410メートル、エプソムダウンズ)に登録を済ませています。

ダートのサウジカップに続いてドバイで芝で行われたドバイシーマクラシックも制して2月、3月に大活躍したミシュリフは自厩舎に戻って休養中。復帰戦はまだ語られていませんが、6月15日から始まる英国ロイヤルアスコット開催のプリンスオブウェールズS(G1、芝2000メートル)、もしくはぶっつけで7月下旬のキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1、芝2400メートル、アスコット)あたりが候補として挙げられています。

アイルランドのタルナワは昨年4戦全勝(通算14戦8勝)。秋はヴェルメイユ賞、オペラ賞と牝馬限定のG1を連勝、その後、米国に渡って臨んだBCターフでは、マジカルやモーグルなど欧州一流馬を軽く一蹴と、一戦ごとに強さを増しています。こちらも復帰時期は未定ですが、夏には元気な姿が見られそうです。

ブックメーカーのつけるオッズはラブが7・0倍、ミシュリフとタルナワが10・0倍。ディープボンドは26・0倍。出否未定ですが、コントレイル(13・0倍)、レイパパレ(13・0倍)、クロノジェネシス(23・0倍)にもオッズがつけられています。(ターフライター奥野庸介)

※成績等は2021年5月6日現在。

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