今年の米G1ケンタッキーダービーは見応え十分。有力候補を紹介します

昨年は秋への延期を余儀なくされたケンタッキーダービー(G1、ダート2000メートル、チャーチルダウンズ)が例年通り、5月最初の土曜日(1日)に戻って開催されます。今年は日本調教馬の参加はありませんが、無敗の2歳王者を筆頭に東地区、西地区のトライアルを勝ち上がってきた馬などがそろって見応えのある競馬が展開されそうです。本番までまだ2週間を残しますが、今年のケンタッキーダービー候補を挙げてみたいと思います。

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エッセンシャルクオリティ(牡3、父タピット、B・コックス厩舎)は昨年、デビューから3連勝でG1ブリーダーズカップジュベナイルに優勝、最優秀2歳牡馬に輝きました。今年は2月27日のサウスウェストS(G3、ダート1700メートル、オークローンパーク)から始動して、これを快勝。4月3日、キーンランド競馬場で行われたブルーグラスS(G2、ダート1800メートル)はハナを主張したハイリーモチベイテッドをマークして直線ねじ伏せて優勝。着差は首でしたが、見た目以上の強さを感じさせてデビューから無傷の5連勝を飾りました。父はチャンピオンサイアーのタピット、芦毛は父からの遺伝です。2歳王者のケンタッキーダービー優勝がなれば1979年のスペクタキュラービッド、2007年のストリートセンス以来、史上3頭目の快挙。スペクタキュラービッド、ストリートセンスはともに1番人気に推されてのもので、同じポジションが予想されるエッセンシャルクオリティには追い風となっています。鞍上に予定されるルイス・サエズ騎手はマキシマムセキュリティ(1位入線から17着降着)で挑んだ19年のケンタッキーダービーで天国から地獄へ突き落とされており、2年越しの悲願達成に挑みます。

ロックユアワールド(牡3、父キャンディライド、J・サドラー厩舎)は西地区の代表馬を選ぶサンタアニタダービー(G1、ダート1800メートル、サンタアニタパーク競馬場)を勝ち上がってきました。こちらもデビューから負けなしの3連勝中。今年2月にサンタアニタパーク競馬場の芝の1200メートル戦でデビュー。2戦目も芝のリステッド競走(1600メートル)を選んで2連勝を飾りました。初ダートとなったサンタアニタダービーではゴール前で後続との差を開き、メディナスピリットに4馬身4分の1差をつけています。父は芝、ダートの双方で活躍馬を出しているキャンディライド、母は米G1勝ち馬です。鞍上のウンベルト・リスポリ騎手はイタリア、フランス、日本(短期免許)、香港を経由して19年12月に米国に拠点を移しています。

コンサートツアー(牡3、父ストリートセンス、B・バファート厩舎)は2頭の3冠馬(アメリカンファラオ、ジャスティファイ)を含む6頭のケンタッキーダービー馬を送っている西の大御所、ボブ・バファート調教師の管理馬です。今年1月のデビューから3連勝。サンタアニタ競馬場のダート1200メートルを逃げ切ると、2戦目にサンヴィセンテS(G2、ダート1400メートル、サンタアニタパーク競馬場)も優勝。3戦目でレベルS(G2、ダート1700メートル、オークローンパーク)も制して、ダービー戦線に浮上しました。4月10日のアーカンサスダービー(G1、ダート1800メートル、オークローンパーク)は競馬ぶりがさえず、勝ったスーパーストックから2馬身4分の3差の3着に終わっています。父ストリートセンスは07年のケンタッキーダービー優勝馬。

ホットロッドチャーリー(牡3、父オックスボウ、E・コックスJr.厩舎)はブリーダーズカップスプリント(G1、ダート1200メートル、サンタアニタパーク)など14戦10勝の好成績で昨年、種牡馬入りしたミトレ(父エスケンデレヤ)の半弟です。競走成績は7戦2勝。昨年は5戦1勝でエッセンシャルクオリティが勝ったブリーダーズカップジュベナイル(キーンランド、ダート1700メートル)で4分の3馬身差の2着に健闘しました。今年は1月のG3ロバート・B・ルイスSで3頭横一線からわずかに遅れた3着でしたが、前走3月20日のルイジアナダービー(G2、ダート1900メートル、フェアグラウンズ)は2着したミッドナイトバーボンに1度は並ばれながらも二枚腰を繰り出して巻き返しに成功しています。父のオックスボウ(その父オーサムアゲイン)はG1プリークネスSの勝ち馬。

スーパーストック(牡3、父ダイアルドイン、S・アスムッセン厩舎)は4月10日のアーカンサスダービー(G1、ダート1800メートル、オークローンパーク)で最終切符をつかんだ馬です。2歳時はブリーダーズカップジュベナイル(G1、ダート1700メートル、キーンランド)でエッセンシャルクオリティの3着が目立つ程度。今年初戦のレベルS(G2、ダート1700メートル、オークローンパーク)も勝ち馬から6馬身半差の4着で、ダービー戦線から離脱しかけましたが、アーカンサスダービーでは直線で口向きの悪さをのぞかせながらも残り200メートルで力強く抜け出して快勝しました。父のダイアルドイン(その父マインシャフト)はフロリダダービー(G1、ダート1800メートル、ガルフストリームパーク競馬場)の勝ち馬。スティーヴ・アスムッセン調教師は昨年の米チャンピオントレーナーです。

ノウアジェンダ(牡3、父カーリン、T・プレッチャー厩舎)は3月27日の愛フロリダダービー(G1、ダート1800メートル、ガルフストリームパーク)の勝ち馬です。ここまで6戦3勝。2月の一般戦(ダート1800メートル、ガルフストリームパーク)を11馬身差で圧勝し、フロリダダービーでは5番手からぐいぐい伸びて2着のスープアンドサンドイッチに2馬身4分の3差をつけました。父はブリーダーズカップクラシック、ドバイワールドカップを制したカーリン。トッド・プレッチャー調教師は10年スーパーセイヴァー、17年オールウェイズドリーミングでケンタッキーダービーに2勝。3年連続で米チャンピオンジョッキーに輝いているイラッド・オルティス・ジュニア騎手はクリエイターでベルモントステークスを制しているものの、ケンタッキーダービーはまだ勝っていません。

(ターフライター奥野庸介)

※成績等は2021年4月15日現在。

岡田繁幸さんのお別れの会に行ってきました。ありがとうございました
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岡田繁幸さんが描いた名牝ラフィアンです。上手い
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