米国シーズンの区切りBC 主要レースの結果は

シーズンオフのない米国は年末まで競馬が続きますが、シーズンの区切りは先週行われたブリーダーズカップ(BC)です。主要レースの結果を振り返っておきます。

BCクラシック(G1、ダート2000メートル)

1着オーセンティック(牡3、父イントゥミスチーフ)J・ヴェラスケス B・バファート

2着インプロバブル 2馬身4分の1差

3着グローバルキャンペーン 1馬身差

ケンタッキーダービーを逃げ切ったオーセンティックが、ここも見事な逃げ切り勝ちとなりました。G1を連勝してここに臨んだ古馬のインプロバブルを最後の200メートルで楽々と突きはなしたのですから、文句のつけようのない完勝です。年度代表馬も「当確」でしょう。勝ちタイムの1分59秒60はキーンランド競馬場、ダート2000メートルのコースレコード。1、2着馬はボブ・バファート厩舎の管理馬でした。オーセンティックは通算8戦6勝、2着2回。G1はハスケルS、ケンタッキーダービー、そしてBCクラシックの3勝。昨年に続いてチャンピオンサイアーとなる(はずの)イントゥミスチーフの後継馬としてケンタッキーのスペンドスリフトファームで種牡馬入りします。

BCターフ(G1、芝2400メートル)

1着タルナワ(牝4、父シャマーダル)C・キーン、D・ウェルド

2着マジカル 1馬身差

3着チャンネルメイカー 鼻差

10頭立ての8番手を進んだアイルランド調教馬タルナワが直線大外一気の末脚を繰り出して優勝。9月のヴェルメイユ賞(芝2400メートル)、10月のオペラ賞(芝2000メートル)に続いてG1を3連勝(重賞4連勝)でシーズンを締めくくりました。1番人気のマジカルが1馬身差の2着。タルナワは14戦8勝、2着2回。ここへ来ての充実ぶりには目を見張るものがあります。鞍上は米国入国後に新型コロナウイルス陽性が判明したクリフトス・スミヨン騎手から急きょ代わったコリン・キーン騎手。管理するダーモッド・ウェルド調教師はブリーダーズカップ17度目の挑戦で初勝利です。

BCマイル(G1、芝1600メートル)

1着オーダーオブオーストラリア(牡3、父オーストラリア)P・ブドー A・オブライエン

2着サーカスマキシマス 首差

3着ロペワイフェルナンデス 4分の3馬身差

最後のひと枠に滑り込みで出走したオーダーオブオーストラリアが直線4番手から抜け出して優勝。単勝74倍のしんがり人気馬が波乱を演出しました。2着にクイーンアンSなど欧州のマイルG1を3勝したサーカスマキシマス。3着はロペワイフェルナンデスで、アイルランドのエイダン・オブライエン厩舎の馬たちが上位を独占しました。南米からの移籍馬でアグネスゴールド産駒のイバールは4着でした。オーダーオブオーストラリアは英愛ダービーなどを制したオーストラリアの産駒で、同日のG1BCフィリー&メアターフを制したイリデッサ(父ルーラーオブザワールド)の半弟。通算成績は8戦3勝で、これが重賞初勝利です。鞍上はピエール・シャルル・ブドー騎手。これもスミヨン騎手が乗るはずの馬でした。

BCスプリント(G1、ダート1200メートル)

1着ウィットモア(せん7、父プレザントリーパーフェクト)I・オルティスJr. R・モケット

2着シーズィーロケット 3馬身4分の1差

3着フィレンツェファイア 首差

内ラチ沿いの9番手を進んだウィットモアが直線で開いたスペースを突いて快勝。このレース4度目(17年8着、18年2着、19年3着)の挑戦を実らせました。デビューから4連勝で、1番人気に推されたヤウポンは8着。日本から参戦のジャスパープリンスは果敢にハナ切ったもののしんがり14着。人気が予想されたヴェコマは体調不良を理由に取り消して、このまま引退(種牡馬入り)となっています。ウィットモアはBCクラシックなどG1を3勝したプレザントリーパーフェクトの産駒。G1は5歳時のフォアゴーS(芝1400メートル)に続き2勝目。来年も現役を続行する予定になっています。

BCディスタフ(G1、ダート1800メートル)

1着モノモイガール(牝5、父タピザー) F・ジェルー  B・コックス

2着ヴァリアンス 1馬身4分の3

3着ダンバーロード 2分の1馬身

4番手に付けたモノモイガールが直線外から伸びて快勝、単勝2・0倍の1番人気に応えて2年ぶり2度目の優勝を飾りました。牡馬を相手にプリークネスSを制したスイススカイダイヴァーは7着でした。モノモイガールはタピット直子のタピザーの産駒。18年の米最優秀3歳牝馬に輝いた後、後脚不安や疝痛(せんつう)などが続いて長期休養。今年5月に復帰後は3連勝していました。モノモイガールは通算15戦13勝(G1・7勝)。レース翌日に行われたファシグティプトン11月セールに上場されてスペンドスリフトファームに950万ドルで(約10億円)で落札されています。新オーナーは来年も現役続行を明らかにしています。

(ターフライター奥野庸介)

※競走成績等は2020年11月13日現在。

◆休載 来週20日のコラムはお休みします。27日から再開です。

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