将来有望な種牡馬、米国のコンスティチューションと欧州のミーマス

お盆休みという訳ではないでしょうが、今週末のビッグレースはフランス・ドーヴィル競馬場で行われるG1ジャックルマロワ賞くらい。海外競馬も忙中閑あり? といったところでしょうか。

今週は日本ではまだあまり知られていない将来有望な2頭の種牡馬を紹介してみたいと思います。

フランケルや、アメリカンファラオなど日本でも有名な種牡馬の子供は、父の名前だけで人気になりがちですが、これから出世が見込める馬を知っておけば、先々楽しめるというものです。

筆者が注目するのは米国のコンスティチューション(CONSTITUTION)と欧州のミーマス(MEHMAS)です。

コンスティチューションは、今年の米国3冠戦線をリードするティズザローを出して脚光を浴びています。父系は父のタピット、祖父プルピットを経てエーピーインディにさかのぼる米国の主流血統です。

競走成績は米国で8戦4勝。デビューから3連勝で2014年のフロリダダービー(G1、ダート1800メートル)に優勝して3冠候補に浮上しましたが、その後に骨折して戦線離脱。15年のドンハンデ(G1、ダート1800メートル)で復活しましたが、再び故障して能力のすべてを見せぬまま引退となりました。

ケンタッキーのウインスターファームに16年からけい養され、初年度産駒は昨年デビュー。この中に産駒の先陣を切って2歳G1のシャンパンSに勝ったティズザローが含まれていました。今年の交配料は4万ドル(約440万円)です。

産駒はエーピーインディ譲りの骨量豊富な馬が多く、米国では2歳トレーニングセールで60万ドル(約6600万円)の高値で落札された馬が現れて注目を集めました。

この系統は気性の激しさが特徴ですが、ティズザローは曽祖父譲りの眼光鋭い“歌舞伎顔”も受け継いでいて驚きます。初年度産駒はティズザローの他にもローラズライト(牝)、インディペンデンスホールが重賞に勝ってガバナーモリスはG1アーカンソーダービーで2着。2世代目の産駒となる牝馬のアレクサンドリアもダート1200メートルのステークスを連勝中で、勢いはとまりません。

日本ではすでに中央でサンライズラポール、セイウンソルジャー、マイネルリベラルがデビューして、サンライズラポールはダート1800メートルの新馬戦を制しています。

父のタピットや、輸入種牡馬でこの系統を代表するパイロ(父プルピット)の産駒は、ダートの短距離からマイルが主戦場という印象が強いようですが、コンスティチューションの場合は、もう少し長い距離(東京のダート2100メートルなど?)でも馬券になりそうです。

欧州で頭角を現すミーマスは今年の欧州2歳戦線で抜群の成績を残しています。父のアクラメイションは欧州を代表するスプリンター系種牡馬として活躍中のダークエンジェルを送るノーザンダンサー系。アクラメイションの祖父は日本に輸入されたワージブで、決して派手な血統ではありませんが、今年デビューした産駒は「早熟なスピードタイプ」をプロトタイプとしています。

競走成績は英国、アイルランドで8戦4勝、2着3回。芝1200mのG2ジュライSとG2リッチモンドSに優勝し、G1愛ナショナルSではのちのG1英2000ギニー馬チャーチルの2着。3歳も現役を続ける予定でしたが、故障のため1シーズンだけで引退し、17年からアイルランドのタリーホースタッドで種牡馬入りしました。今年の交配料は7500ユーロ(約93万8000円)というお手頃価格です。

父アクラメーション×母の父マキャベリアンの配合は前出のダークエンジェルと同じ。しかし、ダークエンジェルが「ザ・スプリンター」と呼ぶに相応しい芦毛の大型馬なのに対して、このミーマスは筋肉質ですっきりとした馬体の持ち主。繋ぎも長く距離が伸びても活躍が期待出来そうな体つきをしています。

日本でデビューした馬はまだいないようですが、G2リッチモンドSを制して英2歳チャンピオン候補にも挙げられているスプレマシーを筆頭とする初年度産駒の活躍から将来は子供の輸入も増えそうです。日本での知名度が乏しいだけに(日本で)産駒がデビューしたとしても「早熟なスプリンター」くらいの扱いしか受けないかもしれませんが、能力の裏付けは十分。特に芝の深い洋芝コース、雨降って重くなった馬場などで目が離せません。「大穴をあける隠し球」として覚えておきたい1頭です。

(ターフライター奥野庸介)

※競走成績等は2020年8月13日現在。

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