米Kダービー2強に人気集中も「第3の馬」現る?

久しぶりに米国3冠戦線について書きます。

9月5日のG1ケンタッキーダービー(ダート2000メートル、チャーチルダウンズ)を巡る争いは最終コーナーにかかったあたりと例えられるでしょうか。前売り人気はティズザローとオナーエーピーに集まっています。

1番人気になっているティズザロー(牡3、父コンスティチューション、B・タッグ厩舎)は3月28日に行われたG1フロリダダービー(ダート1800メートル、ガルフストリームパーク)と6月20日のG1ベルモントS(ダート1800メートル、ベルモントパーク)の勝ち馬で、ここまで6戦5勝。現時点でケンタッキーダービーに最も近い馬です。共同馬主のサッカトガステーブルが所有し、バークリー・タッグ調教師の管理馬。これは2003年の2冠馬ファニーサイドと同コンビです。2歳時は3戦2勝でG1シャンペンS(ダート1600メートル、ベルモントパーク)に優勝。今年は2月1日のG3ホーリーブルS(ダート1700メートル、ガルフストリームパーク)の優勝から向かったフロリダダービーで後続に4馬身4分の1差をつけて圧勝。ベルモントSも3番手から楽に抜け出す横綱相撲でした。

父のコンスティチューションはタピットの直子でG1のフロリダダービーやドンハンデの勝ち馬。エーピーインディ系種牡馬の有望株です。母のティズフィズはG2の勝ち馬。母の父はBCクラシックを連覇したティズナウで、距離に不安はありません。

次走に予定されるG1トラヴァーズS(ダート2000メートル、サラトガ)は本番と同じツーターンの2000メートル戦。ここを勝つようなら2冠に王手をかけることになりそうです。

このティズザローをひたひたと追いかけているのがオナーエーピー(牡3、父オナーコード、J・シレフス厩舎)です。2歳時は2戦1勝。今年初戦となったG2サンフェリペSは、のちに故障で戦列を離れるオーセンティックから2馬身4分の1差の2着でしたが、6月6日に行われたG1サンタアニタダービー(ダート1800メートル、サンタアニタ)は最終コーナー手前から加速をつけたオーセンティックを外から一気にまくって快勝。2着オーセンティックに2馬身4分の1をつけてポジションを逆転しました。

オナーエーピーは1歳セールでの落札価格が85万ドル(当時の交換レートで約9300万円)という高馬。父のオナーコードはエーピーインディの晩年の代表産駒で目立つ流星と四本脚の白ソックスは、そっくり息子に伝えられています。馬体の派手なところも競馬ファンにはお気に入りのようです。

シレフス調教師は20世紀の米国競馬に偉大な足跡を残したゼニヤッタ(20戦19勝、2着1回)を管理したベテラン。鞍上は一昨年、ジャスティファイとのコンビで3冠を制覇したマイク・スミス騎手(54)です。

次走は8月1日のシェドビリーフS(ダート1600メートル、デルマー)になる模様。マイル戦を経てからの本番という点が少し気になりますが、キャリアが浅い分、楽しみも多いようです。

ケンタッキーダービーの主なプレップレースは以下の通り。今週末から8月2週目にかけて行われる下記の5つのレースから「第3の馬」が現れる可能性も十分でしょう。

★日付・レース名(格)・競馬場・距離・KYダービーポイント

★7月17日・ピーターパンS(G3)・サラトガ・ダート1800メートル・50ポイント

★7月18日・ハスケル招待S(G1)・モンマスパーク・ダート1800メートル・100ポイント

★8月1日・シェドビリーフS(リステッド)・デルマー・ダート1600メートル・50ポイント

★8月8日・トラヴァーズS(G1)・サラトガ・ダート2000メートル・100ポイント

★8月9日・エリスパークダービー(リステッド)・エリスパーク・ダート1800メートル・50ポイント

(ターフライター奥野庸介)

※競走成績等は2020年7月17日現在。

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