2度目のキングジョージ制覇へエネイブルに死角なし

日本からシュヴァルグランが参戦し、27日にアスコット競馬場で開催されるG1キングジョージ6世&クイーンエリザベスSの馬券が発売されます。シュヴァルグランの鞍上に起用されたのは大胆な騎乗が出来るO・マーフィー騎手。馬券に絡む着順を得るには欧州勢の厚い壁を破る必要がありますが、筆者は可能性はなきにしもあらず、とみています。

シュヴァルグランの父ハーツクライが3着した06年のキングジョージは、現地で観戦しました。ゴルフ場のようにアップダウンが激しく、しかも、うねっているアスコット競馬場で勝利を収める難しさは十分に理解していますが、陣営の熱意やシュヴァルグランの持つ高い能力がフルに発揮されれば、世界をあっと言わせても不思議ありません。

19日現在で出走を予定している馬は以下の通りです。

前売りの1番人気、それも抜けた人気になりそうなのがエネイブルです。シーズンの立ち上がりとなった6日のエクリプスS(G1)を快勝。10連勝を飾って、2度目のキングジョージ制覇に弾みをつけました。一昨年のキングジョージは最終コーナーで先頭に立って、2着ユリシーズを4馬身半もちぎっていて、馬場実績もあり。現時点で死角らしきものは見当たりません。

マジカルは、今シーズンに入って重賞を3連勝したあと前々走のプリンスオブウェールズS、前走のエクリプスSともに2着でしたが、調子落ちは感じられません。このコースは昨年10月のチャンピオンズフィリーズ&メアズSに優勝。C(コース経験)、D(距離経験)ともにあって巻き返しが望まれています。

クリスタルオーシャンは昨年のキングジョージでポエッツワードに首差の2着しており、こちらもCとDがついています。前走道悪のプリンスオブウェールズSを制したことで先週発表になったワールドベストレースホースランキングでも世界最強の座に就きました。デットーリ騎手がエネイブルに乗るため、鞍上は以前もコンビを組んでいたジェームズ・ドイル騎手になったようです。ここは正念場でしょう。

プリンスオブウェールズSは道悪に泣いて3着だったヴァルトガイスト、去勢効果が表れたのか5月のコロネーションCに続いて前哨戦のG2ハードウィックSも差し切ったデフォーの充実ぶりからも目が離せません。古馬とまだ未対戦の3歳馬からは英ダービー馬アンソニーヴァンダイクと、愛ダービーを6馬身差で逃げ切ったソヴリンがエントリーしています。

本番までの各陣営の動向にアンテナを張って、結論を導き出したいと思います。

キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1、芝2390メートル=アスコット)の出走予定馬(馬名・性齢・※経験・父・重量・騎手・厩舎・単オッズ)

エネイブル 牝5 CD ナサニエル 59・0 L・デットーリ J・ゴスデン 1・66

クリスタルオーシャン 牡5 CD シーザスターズ 60・0 J・ドイル M・スタウト 4・0

アンソニーヴァンダイク 牡3 D ガリレオ 55・5 未定 A・オブライエン 7・0

デフォー せん5 CD ダラカニ 60・0 A・アッゼニ R・ヴァリアン 11・0

ヴァルトガイスト 牡5 D ガリレオ 60・0 P・ブドー A・ファーブル 15・0

マジカル 牝4 CD ガリレオ 59・0 未定 A・オブライエン 17・0

シュヴァルグラン 牡7 D ハーツクライ 60・0 O・マーフィー 友道康夫 21・0

ソヴリン 牡3 D ガリレオ 55・5 未定 A・オブライエン 21・0

ミラージュダンサー 牡5 D フランケル 60・0 未定 M・スタウト 34・0

サルウィン 牡5 CD キャンフォードクリフス 60・0 未定 S・カーク 41・0

コロネット 牝5 CD ドバウィ 59・0 未定 J・ゴスデン 51・0

ハンティングホーン 牡4 C キャメロット 60・0 未定 A・オブライエン 67・0

マジックワンド 牝4 CD ガリレオ 59・0 未定 A・オブライエン 67・0

モランド 牡6 D ケンダルジャン 60・0 未定 A・ボールディング 67・0

ノルウェー 牡3 - ガリレオ 55・5 未定 A・オブライエン 101

(※Cはコース経験あり、Dは距離経験あり)

(ターフライター奥野庸介)競走成績等は19年7月18日現在。

SF映画に出てきそうな東京の眺めです
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ご贔屓の勢関。12日目まで4勝8敗。十両陥落の危機と闘ってます
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