エネイブル凱旋門賞連覇など18年世界競馬振り返る

月並みですが、競馬をやっていると本当に1年が早く流れますね。今回は2019年への橋渡しとして来年も現役を続ける4頭の競走馬から今年の世界競馬を振り返ってみたいと思います。

4頭は来年、日本馬とどこかで対戦する可能性がありそうなエネイブル、ウィンクス、ヨシダ、ビューティージェネレーションとしました。

エネイブルは凱旋門賞の連覇に続いて米国のBCターフも優勝と、しれっとすごい記録を打ち立てました。オーナーのカーリッド・アブデュラ氏は81歳という高齢となり最近は競馬場で姿を見ることはなくなりましたが、誰も成し遂げたことのない凱旋門賞3連覇の夢をエネイブルに託して現役続行を決めました。

この馬の強みは先行力があって、自分で競馬がつくれることでしょう。矛と盾ではありませんが、後ろから来る馬には抜かせないエネイブルと、先を走っている馬は絶対にかわすアーモンドアイの一騎打ちは見物。2019年に見てみたい競馬のナンバーワンです。

足かけ5シーズン負けなし。今年はコックスプレートの4連覇という偉業とともに29連勝まできたウィンクスに衰えのようなものは全く感じられません。年明けは2月もしくは3月に復帰が予定されており、ここで区切りの30連勝が達成されるはず。3月16日には新設の高額賞金レース「ジ・オールスターマイル」が待ち受けています。ウィンクスの現在の賞金総額は2243万4923豪ドルで日本円で約18億6000万円。為替の変動もあって「世界一」は決め難いものの現状では米国のアロゲートの1748万4923ドル(約19億2300万円)がテイエムオペラオーの19億3518万円をわずかに抑えてトップになっています。ウィンクスがジオールスターマイル(優勝で225万豪ドル=約1億8655万円)で31連勝となれば2500万豪ドル(約22億3000万円)の大台を突破して「世界一」になります。強さの秘密は回転の速いフットワークにあることまではわかっていますが、これだけ長期間にわたって調子に波がないのは不思議。科学的に解明してもらいたいものです。

日本生まれのハーツクライ産駒のヨシダは芝とダートでG1に勝った二刀流。昨年は英国に遠征してクイーンアンステークス(芝1600メートル)で、勝ったアクシデンタルエージェントから約1馬身差の5着。前走11月のBCクラシック(ダート2000メートル)はアクセラレイトの4着と勝てないまでも、見せ場をつくっています。競馬ぶりを見ると芝、ダートともに2000メートルから2400メートルで能力を発揮するタイプ。来年の出走計画はまだ明らかではありませんが、秋はジャパンカップで、その走りを見てみたい馬です。

香港マイルの勝ちっぷりも記憶に新しいビューティージェネレーションは、2019年いよいよ世界挑戦を開始します。陣営は3月のドバイターフ(芝1800メートル)で腕試しした後、6月の英国ロイヤルアスコット開催への参加を計画しているようです。香港のウィンクスの真の実力やいかに・・・といったところでしょうか。

おわびと訂正があります。先週の香港、マカオの年末年始の競馬スケジュールに間違いがありました。正しくは下記の通りです。1日、6日のシャティン競馬場では重賞も組まれています。

12月26日(水) 香港・ハッピーヴァレー競馬場 昼間開催

12月30日(日) マカオ・タイパ競馬場 昼間開催

1月1日(火)  香港・シャティン競馬場 昼間開催

1月5日(土)  マカオ・タイパ競馬場 昼間開催

1月6日(日)  香港・シャティン競馬場 昼間開催(ターフライター奥野庸介)

※競走成績等は2018年12月21日現在。

去年春のビューティージェネレーション。こんなに強くなるとは・・・
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