メルボルンCは今年もオブライエン厩舎3頭に注目

「ストーカー」や「クローザー」と聞いて何を思い浮かべますか?

前者には犯罪のにおいが、後者は今なら前田健太投手のような抑えの切り札でしょうか。

米国ではこの2つのワードが競馬用語としても使われていたので驚きました。幕引きの「クローザー」は最後に脚を伸ばしてくる追い込み馬。ちょっと怪しげな「ストーカー」は先行馬をマークして忍び寄る差し馬。先に行って競馬をする馬は「プレスザペース」と呼ぶようです。

土曜(日本時間では日曜早朝)に行われるBCクラシックの出走馬で見ると人気が予想されるアクセラレイトやウエストコースト、マッキンジーなどが「プレスザペース」。欧州から挑むロアリングライオンは「ストーカー」。日本産のハーツクライ産駒ヨシダや、去年、ウエストコーストと好勝負したガンナヴェラが「クローザー」として紹介されています。

欧州の2000メートル王者ロアリングライオンの参戦は、オーナーのカタールレーシングと管理するジョン・ゴスデン調教師がゴーサインを出して決まったもの。米国産馬ですが、父は芝向きのキトゥンズジョイ。ブリーダーズカップに芝の2000メートル戦があったら、それを狙ったかもしれませんが、ダートでも勝負になるという判断による挑戦です。芝での走りがダートでどこまで通用するかは見もの。欧州からは他にもドバイでダートのドバイWCを逃げ切ったサンダースノーや、UAEダービーを大差勝ちしたメンデルスゾーンも出走して国際色豊か。

凱旋門賞連覇のエネイブルの出走するBCターフには、ジャパンCの予備登録を済ませた馬も出ているので、こちらもレースを良く見ておきたいと思います。

ブリーダーズカップの馬券発売はありませんが、チェスナットコート、ソールインパクトがエントリーする週明け火曜日のメルボルンCは馬券が買えます。

一昨年も馬券発売があったのでご記憶とは思いますが、こちらはフルゲートが24頭。3連複、3連単は高配当になる可能性が高そうです。

金曜現在の人気上位馬は以下のようになっています。

ユカタン(牡4、父ガリレオ)54・5キロ 4・5倍

マジックサークル(セン6、父マクフィ)56キロ 10倍

クロスカウンター(セン3、父テオフォロ)51キロ 10倍

アヴィリウス(セン4、父ピヴォタル)54・5キロ 13倍

ムンタハー(セン5、父ダンシリ)55・5キロ 13倍

ベストソリューション(牡4、父コディアック)57・5 15倍

ザクリフスオブモハー(牡4、父ガリレオ)56・5キロ 17倍

マルメロ(牡6、父デュークオブマーマレード)55キロ 19倍

ロストロポヴィッチ(牡3、父フランケル)51キロ 19倍

ヤングスター(牝4、父ハイシャパラル)51・5キロ 19倍

昨年はアイルランド調教馬が1~3着までを独占してオブライエン親子が管理する馬のワンツーでした。筆者は今年もエイダン・オブライエン厩舎の3頭(ユカタン、ザクリフスオブモハー、ロストロポヴィッチ)に注目しています。出馬登録は土曜の夕方になるので、有力馬を絞るまでには至りませんが、最内や大外などの極端な枠を引かない限り、オーストラリアで馬が一変したユカタンの中心は動きそうもありません。馬券は普段より手広く買ってみたいと思ってます。

(ターフライター奥野庸介)

※競走成績等は11月1日現在 

最近のメルボルンカップのレープロたち。ちょっとした文庫本並みの厚さがあって重厚。
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こちらはランドウィック競馬場のレープロ。JRAのレープロもこれくらい攻めると話題になるかも!
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