1歳セリで11万円の馬がケンタッキーダービーV、バファート師に敬服

こんにちは。今週は米国競馬を代表する祭典ケンタッキーダービーが、素晴らしいレースだったのでその話をしたいと思います。

まず驚いたのは競馬場に大勢の観客が詰めかけ、本当にコロナの影響を受けているのかと思わせる熱気がテレビ越しからも伝わってきたことです。この1年、無観客競馬が当たり前になっていますが、このような素晴らしいレースには観客がぜひいて欲しいと願うばかりです。

レースは戦前の予想に反して伏兵のメディーナスピリットが4頭のたたき合いから抜け出して勝利。管理調教師は米国が誇る最高峰の調教師ボブ・バファート師で、史上最多となる通算7度目のケンタッキーダービー制覇となりました。バファート厩舎といえば、管理馬の多くが高額という印象がありますが、今回勝利したメディーナスピリットは、全く違う経歴を持っていました。

メディーナスピリットは、1歳時のセリでは1000ドル(約10万5000円)とかなりの安さで取引されています。そのような馬を超名門厩舎バファート厩舎へ預けた馬主サイドの先見の明と、そんな馬を預かったバファート調教師の勇気と相馬眼に敬服します。今回の勝利はバファート師が高い馬ばかりで、大きいレースを勝利していると揶揄(やゆ)している人を見返すことができた勝利でもあったと感じます。

一方、今回のレース結果を踏まえて次戦のプリークネスSでは上位4頭の混戦は変わらないと思いますし、ケンタッキーダービー1番人気のエッセンシャルクオリティの逆転も十分可能ではないかと感じます。日本から参戦予定のフランスゴデイナが、この4頭にどれほど迫れるのか楽しみです。

今年の海外クラシックレースは全体的に混戦模様です。こういう年ほど名馬が出現すると感じているので、出走馬に秋のスター候補が隠れているのではないかと思います。ぜひ注目して見ていただきたいです。(レースホースコーディネータ)

逃げ切ってケンタッキー・ダービーを制したメディーナスピリット(AP)
逃げ切ってケンタッキー・ダービーを制したメディーナスピリット(AP)
ケンタッキーダービーにメディーナスピリットで勝利し、トロフィーを戴くベラスケス騎手(AP)
ケンタッキーダービーにメディーナスピリットで勝利し、トロフィーを戴くベラスケス騎手(AP)