宝塚記念Vクロノジェネシス凱旋門賞に出走して親子勝利を

こんにちは。宝塚記念は皆さん楽しめましたか? クロノジェネシスがこのメンバー相手に、これほどまでの着差(6馬身)をつけて圧勝することは想像出来ませんでした。改めてこの馬の成長力に驚かされました。

私個人の意見ですが、ぜひ秋の凱旋門賞に出走して欲しいと思いました。新型コロナウイルスの影響で今年が難しければ来年でもと思ってしまうほど、彼女の走りをフランスで見たいと思います。凱旋門賞ではクロノジェネシスの強さだけでなく、彼女の血統背景も味方するのではないでしょうか。父バゴは04年凱旋門賞を制覇しているので、ぜひ親子勝利をヨーロッパのホースマンの方々に見て欲しいと思います。

現役時代のバゴを所有していた馬主ニアルコスファミリーには生で競馬を見て欲しいと思います。ニアルコスファミリーは、ギリシャの企業家として海運業で財を築き、馬主としてフランス、英国、アイルランドを中心に今も活動しています。彼らの初期投資は、世界的名種牡馬となったヌレイエフを米国のキーランドセールで高額で購入することから始まり、世界的名牝ミエスクで競走馬としての成功だけでなく、繁殖牝馬としても今の日本競馬にも大きく影響を与えています。改めて、血統を大事にする馬主さんは成功すると証明できたと思います。

ミエスク産駒の中でキングマンボは日本でもなじみの種牡馬ですし、リアルスティールやラヴズオンリユーを輩出したラヴズオンリミーもミエスクの一族です。最近ではニアルコスファミリーが所有し18年にヨーロッパのマイルG1を4勝したアルファセントーリや今年のロイヤルアスコット開催の中で行われたコロネーションSを勝利した妹のアルパインスターもミエスクの一族です。ある意味、現在最も活気がある血統であり、それが世界競馬の中心的存在にいることが、競馬は血統のロマンとあらためて感じます。

バゴの話に戻ります。ノーザンファームが外部の種牡馬であるバゴを配合した理由は分かりませんが、ニアルコスファミリーの血統の魅力が少なからず理由になったのではないかと感じています。

クロノジェネシス世代では2頭のバゴ産駒が誕生し、もう1頭の馬も素晴らしい馬でしたが残念ながら故障してしまいました。そして、今年の2歳世代にもノーザンファーム生産のバゴ産駒がいます。この子はセレクトセールで上場され取引されました。馬名はステラヴェローチェです。ぜひ、注目して見て下さい。もうすぐ、セリが始まる時期なので、血統表などを見てどの馬につながるのか調べるのもすごく楽しいと思います。

あなたらしい競馬のロマンを見つけられるかもしれません(笑い)。(レースホースコーディネーター)

第61回宝塚記念を制したクロノジェネシス(2020年6月28日撮影)
第61回宝塚記念を制したクロノジェネシス(2020年6月28日撮影)