隠された脚力 ブラックホール/ホープフルS

ホープフルSの前哨戦には「数字のトリック」が隠されている!?時計だけなら東京スポーツ杯2歳Sを1分44秒5のレコードで勝ったコントレイルが抜けているが、果たして・・・。水島晴之記者の「G1前哨戦その一瞬」は、札幌2歳Sを1分50秒4で差し切ったブラックホール(牡2、相沢)に注目。3、4コーナーで大外を進出した脚力は、数字(時計)に表れないスゴ味がある。

札幌2歳Sブラックホールの通ったコース
札幌2歳Sブラックホールの通ったコース
札幌2歳Sを制したブラックホール
札幌2歳Sを制したブラックホール

時計以上 ブラックホール

<札幌2歳S>◇8月31日=札幌◇G3◇芝1800メートル◇2歳◇出走12頭◇

札幌2歳Sのブラックホールは、きつい競馬を強いられた。スタート後に両サイドから寄られ、最初のコーナーでは後方に控えざるを得なかった。向正面では内から3列目。馬群に潜り込むこともできず、4角では6頭分外へ。さらに内の馬に張られて、バランスを崩すシーンもあった。並の2歳馬ならそこで終わっている。最後まで集中力を切らさず、2着サトノゴールドに1馬身 1/4 差をつけた勝負根性は大したものだ。

札幌1800メートルの勝ち時計は1分50秒4。自身がマークした上がり3ハロンも36秒5。一見平凡に見えるが、そこに数字のトリックが隠されている。残り600メートルからの自身の推定ラップは12秒4―11秒8―12秒3だが、通ったコース(馬場の5、6分どころ)を考えれば時計以上に速い。陸上のトラック競技なら、1コースと6コースほど違う。もし、内ラチ沿いを同じ脚で走ってきたら、各ラップで0秒2~0秒4は短縮できた。つまり3ハロンは35秒台の脚を使った計算になる。

このとき、1番枠から内を回って3着のダーリントンホールが、次走の葉牡丹賞(中山2000メートル=3着)で1分59秒1の時計を出した比較から、ブラックホールも速い時計で走れるポテンシャルはある。一方、コントレイルが驚異的なレコードをたたき出した東スポ杯当日の東京は速い時計が続出。2歳未勝利(芝2000メートル)で1分59秒5=レコード、古馬2勝クラス (芝1600メートル)で1分32秒9。今回は時計のかかる中山。前走のタイム差にだまされると痛い目に遭う。

指示待つ賢さ コントレイル

<東スポ杯2歳S>◇11月16日=東京◇G3◇芝1800メートル◇2歳◇出走8頭◇

コントレイルの強さが際立った。5番手で折り合い、直線は早め先頭からアルジャンナを5馬身突き放した。1分44秒5の驚異的なレコードをどう見るか。理由はいくつかある。高速馬場に加え、逃げたマイネルデステリョが前半1000メートル58秒8で飛ばした。さらにムーア騎手が、抜け出してからゴールまで気を抜かさずに追った。これも大きい。ただ、時計はひとつの目安にとどめておく。特筆すべきはレース内容の良さ。前半から我慢が利いて、鞍上の指示を待てる賢さがある。軽い走りをするので道悪は疑問だが、良馬場の瞬発力勝負なら一枚上だろう。

アイビーSを制したワーケア
アイビーSを制したワーケア

桁違い瞬発力 ワーケア

<アイビーS>◇10月19日=東京◇L◇芝1800メートル◇2歳◇出走8頭◇

ワーケアの良さは、操縦性と反応の速さだろう。前半1000メートル61秒3のスローでも、まったく掛かるところがない。前に壁がなくてもスムーズに折り合った。直線は300メートルを切ってから追いだされたが、3着ショコラブリアンの外へ出すと、一気に前を捉えた。重馬場で上がり3ハロン33秒3。桁違いの瞬発力だった。まだ少頭数(11頭、8頭)の競馬しか経験がなく、多頭数でどんな反応を示すか。不安材料はそこだけだ。

高速決着不安 ヴェルトライゼンデ

<萩S>

ヴェルトライゼンデは、3番手の外で流れに乗った。直線に向いた時の感触は良かったが、手応えほど伸びず。それでもゴール前は3頭の真ん中で競り合い、半馬身+首差抜け出した。まだ馬体に緩さがあり、高速決着になった時に対応できるか不安がある。

<芙蓉S>

オーソリティは前半1000メートル64秒3の超スローの4番手で折り合いをつけた。一気にペースが上がった時も、軽く促した程度で前に並びかけ、坂上から力強く伸びた。ラスト2ハロン11秒2―11秒5の速いラップの中、2着に2馬身半差は強い。