根性男 ヴァンド/ホープフルS

 中山で行われる2歳G1ホープフルSは、心身ともにタフさが要求される。2000メートルの距離に、直線の急坂、そして多頭数。水島晴之記者が分析する「G1前哨戦その一瞬」は、16頭立てで直線激しいたたき合いとなった東スポ杯2歳S組から、3着ヴァンドギャルド(牡、藤原英)に注目した。

東スポ杯2歳Sで3着だったヴァンドギャルド(右から2番目)
東スポ杯2歳Sで3着だったヴァンドギャルド(右から2番目)

G1級精神力 ヴァンド

<東スポ杯>◇11月17日=東京◇G3◇芝1800メートル◇2歳◇出走16頭◇

東スポ杯のコース取り
東スポ杯のコース取り

 東スポ杯のヴァンドギャルドは、中団グループで厳しい戦いを強いられた。内ニシノデイジー、外トーセンギムレットの間。3、4角では四方を囲まれ、狭いスペースの中で、動くに動けないポジション。両サイドからのプレッシャーもきつく、キャリア1戦の馬には酷なレースだった。

 直線も内→外へ切り替えるロスがあり、精神的にタフでなければ、とっくに集中力は切れていただろう。ゴール前のたたき合いで鼻+頭差敗れたとはいえ、負けて強しの内容。C・デムーロ騎手のコメントにも驚く。「道中は折り合いがついて、リラックスして走っていた」。あの状況でも自分を見失わないメンタルの強さは、G1に手が届くレベルだ

 新馬戦も直線で狭いところをこじ開けてきた。上がり33秒台の切れ味だけでなく、近くに馬がいると闘争心をかきたてるタイプ。中山競馬場は初めてだが、右回り、直線の急坂とコース形態の似ている阪神で勝っており問題なさそう。馬混みを気にしない精神力、急坂を一気に駆け上がるスタミナは、2歳戦での大きなアドバンテージとなる。

 競り合いを制したニシノデイジーも、内から馬群を割った。ただ、前の壁をさばくのに仕掛けを待たされた分、脚が残っていた印象。3着馬とは、その差だろう。小回りの函館、札幌で勝っており舞台設定は悪くない。

坂路で追い切るヴァンドギャルド
坂路で追い切るヴァンドギャルド

<この日のヴァンドギャルド>

坂路を4ハロン54秒5―12秒4で単走した。馬場の中央でグングンと力強い。藤野助手は「元気ですね。一瞬でスピードに乗るし、脚も速い。頑張ってもらいたいです」と期待するコメント。前走東京スポーツ杯2歳Sはイレ込む面を見せつつの鼻+頭差3着。素質は見劣らない。

流れ早くても サートゥル

<萩S> サートゥルナーリアは、前半1000メートル61秒6のスローペースに掛かり気味。それでもM・デムーロ騎手がなだめると馬の後ろで収まった。直線も鞍上の指示が出るまでスパートを待てる賢さがある。抜け出す時の速さ、後続を突き放すパワーは一級品だ。京都1800メートル1分49秒6は目立たないが、ほとんど追ったところなしで、まだまだ時計は短縮できる。今回は初の重賞挑戦になるが、少し行きたがる面があり、強敵相手で流れが速くなった方が競馬はしやすい。不安はたたき合いになった時にどうか、というくらいだろう。

大きな上積み ブレイキング

<京都2歳S> 2着ブレイキングドーンは、勝負どころで手応えが怪しくなったが、そこから巻き返した。除外明けで馬体重が大幅に増えていたことも、微妙に影響したようだ。能力は勝ったクラージュゲリエと互角だった。1回使った上積みは大きい。4着ミッキーブラックは決め手勝負に屈した。平均で流れた方がいいタイプだ。ただ、少し気負っていたように、2000メートルは長いのかもしれない。

性能が高い ジャスタ

<紫菊賞> アドマイヤジャスタは、スタートでよれて最後方を追走した。向正面からゆっくりポジションを上げて、いったん先頭に並ぶも、ルメール騎手が抑えると3番手へ。操縦性の良さをうかがわせた。3、4角は大外から進出。7頭の少頭数とはいえ、通ったコースを考えると、かなりのロスがあった。それでも直線は長く脚を使って、2着ロジャーバローズに1馬身 1/4 差。まだ、コーナーの途中で逆手前に替えたり若さは目立つが、ポテンシャルは高い。