経験値でショウブ/阪神JF

 阪神JFは、経験が素質を上回る。水島晴之記者が分析する「G1前哨戦その一瞬」は、デビュー4戦であらゆる競馬を経験してきたメイショウショウブ(池添兼)に注目。前走のデイリー杯2歳S(2着)は牡馬アドマイヤマーズとたたき合って、 3/4 馬身差2着。4戦1勝の成績以上にポテンシャルは高い。

距離、脚質、牡馬に負けない ショウブ

<デイリー杯2歳S>◇11月10日=京都◇G2◇芝1600メートル◇2歳◇出走9頭◇

デイリー杯2歳S メイショウショウブ
デイリー杯2歳S メイショウショウブ
メイショウ勝負の4箇条
メイショウ勝負の4箇条

 メイショウショウブが競り負けたアドマイヤマーズは、3戦3勝で朝日杯FSの有力候補。新馬では新潟2歳Sの覇者ケイデンスコールに勝っている。メイショウショウブは好スタートを決めると勝ち馬の2番手で流れに乗った。4角からは積極的に並びかけてたたき合いに持ち込む。最後は地力の差が出たが、いったん首ほど前へ出るなど、瞬発力では互角に渡り合った。好内容の2着にも池添騎手は「まだ幼い」と伸びしろを感じたように、奥の深さもある。

 京都1600メートルの時計は1分35秒5。1分33秒台のアルテミスSに比べると地味だが、スローの上がり勝負ではやむを得ない。むしろ、決め手比べで3着以下を2馬身半離したところに価値がある。遅い流れで前を追う展開。折り合いに不安があれば掛かってしまうところだが、鞍上の指示に従い、スムーズな追走で力を発揮している。この操縦性の良さが、大きなアドバンテージとなる。

 キャリアの浅い2歳戦では、ペースの違いやちょっとした不利で、力を出し切れずに終わるケースも少なくない。特に多頭数の競馬ではなおさらだ。「素質」よりも「経験」が勝る理由が、これだ。その点、メイショウショウブはダートで未勝利勝ち。重馬場の新馬では出遅れを挽回して3着とパワーを証明。また2戦目では前半3ハロン34秒4のハイペースも難なくこなした。

 今回の舞台となる阪神マイルも経験済み。単騎逃げでも、後方差しでも崩れない。牡馬とたたき合ったメンタルの強さが、この大一番で生きる可能性は十分にある。

【メイショウショウブ】デイリー杯2歳S2着のメイショウショウブが抜群の動きを見せている。先週はCウッドで6ハロン82秒4―11秒6と鋭く伸び、古馬オープンのナイトオブナイツに先着した。坂井助手は「前走は中1週であの内容。今回は短期放牧に出して、具合は本当にいい。勝ちを狙って強気にいきたい」と意気込む。

姉ソウルと違う シェーン

<アルテミスS>◇10月27日=東京◇G3◇芝1600メートル◇2歳牝◇出走15頭◇

ゴール前鋭く抜け出したシェーングランツがアルテミスステークスを制した
ゴール前鋭く抜け出したシェーングランツがアルテミスステークスを制した

 例年、厳しい流れとなるが、今年もライデンシャフトが、前半1000メートル58秒7で飛ばした。このハイペースを4角13番手から差し切ったのがシェーングランツだ。馬群の外から上がり3ハロン33秒8。加速まで時間はかかるが、どこまでも伸びていく印象。姉ソウルスターリングとはタイプが違う。大物感はあるが、器用さに欠ける分、極端なスローペースになると不安だ。

 2着ビーチサンバはいったん抜け出したが、最後は決め手の差が出た。出遅れを不利と感じさせない立ち回りのうまさがあり、レースセンスは抜群。少しテンションが上がっていたので当日の落ち着きが鍵。4着ウインゼノビアはいつもより控える競馬をしたが、瞬発力では上位馬に劣る。やはり前々の競馬が合う。グレイシアは初めてもまれる競馬で11着に沈んだ。逃げか追い込むか。現状では極端な競馬が合っている。

<アイビーS>

 クロノジェネシスの瞬発力が光った。ラスト3ハロンは11秒3―11秒0―11秒1。最後までラップが落ちない究極の上がり勝負を4番手から差し切った。しかも、ゴール前は抑える余裕。いっぱいに追っていたら、10秒台を連続してたたき出していただろう。新馬戦も12秒2―11秒5―11秒1とゴールに向かって速くなるラップを差し切って2馬身差。切れ味では一枚抜けている。2戦ともスローペースだけにあとは速い流れに対応できるかだ。

<ファンタジーS>

 ダノンファンタジーが、課題の折り合いをクリアした。馬の後ろで折り合い、4角で外へ出すと加速。2着とは1馬身 3/4 差だが、着差以上に余裕があった。2着ベルスールは少し力むところがあり、スムーズに運べるかどうかだ。

<1勝馬>

 ウオッカの子供タニノミッションは、きょうだいの中で一番瞬発力がある。上がり33秒4でもゴール前は遊んでいた。ポテンシャルは重賞勝ち馬と遜色ない。抽選を突破すれば怖い1頭になる。