ばてない末脚 アルアイン/マイルCS

 マイルCS(G1、芝1600メートル、18日=京都)は瞬発力より持久力勝負になる。水島晴之記者が分析する「G1前哨戦その一瞬」は、天皇賞・秋4着アルアイン(牡4、池江)に注目した。直線のたたき合いで後れを取ったが、スローの「よーい、ドン」では厳しい。アエロリットが引っ張る速い流れが、同馬のタフな末脚を引き出す。

逃げが追い風 アエロリット

<天皇賞・秋>◇10月28日=東京◇G1◇芝2000メートル◇3歳上◇出走12頭◇

天皇賞・秋で4着に健闘したアルアイン(左端)。中央は1着レイデオロ。右は3着キセキ。
天皇賞・秋で4着に健闘したアルアイン(左端)。中央は1着レイデオロ。右は3着キセキ。

 天皇賞・秋はキセキが前半600メートル36秒2に落として逃げた。これはアエロリットが逃げた毎日王冠より0秒9遅い。アルアインは絶好の2番手につけたが、ここまで遅くなると逆に瞬発力のある馬にやられてしまう。自身の上がり3ハロン34秒5は1着レイデオロ(33秒6)、2着サングレーザー(33秒4)より0秒9~1秒1遅く、究極の決め手比べでは厳しいことが証明された。

 これまで、国内の良馬場で走った8戦の平均上がりタイムは34秒3(最速は超スローのダービー5着でマークした33秒7)。切れるというより、持久力で勝負してきた。いい例が皐月賞だ。前半1000メートル59秒0のハイペースを4番手で進み、上がり3ハロン34秒2で差し切った。ある程度流れても、ためても34秒台そこそこの脚しか使えない。つまり、速い流れでこそ持ち味が生きるタイプ。そう考えれば、天皇賞・秋の0秒4差はむしろ善戦といっていい。

 今回、京都外回り1600メートルに替わるが、坂の下りでペースが上がる分、消耗戦になりやすい。ここ2年のレース上がりも、16年が35秒6、昨年が35秒2とかかった。タフな流れで直線もつれれば、それこそアルアイン向きの競馬になる。さらにアエロリットの逃げも、消耗戦に拍車をかけそうだ。最後まで11秒台のラップを続けられるスピード馬の参戦が、アルアインの持久力を引き出す可能性は高い。

秋盾組最多6勝 前走天皇賞・秋からマイルCSを勝った馬

前走天皇賞・秋からマイルCSを勝った馬
前走天皇賞・秋からマイルCSを勝った馬

 過去20年で前哨戦別最多の6勝を挙げている。次点は富士SとスプリンターズSの4勝。07年に連覇したダイワメジャーは天皇賞9着からの巻き返しだった。05年ハットトリック(天皇賞7着)、12年サダムパテック(同8着)など、天皇賞の成績はあまり関係ない。

上がり注目 アエロリット

<毎日王冠>◇10月7日=東京◇G2◇芝1800メートル◇3歳上◇出走13頭◇

逃げたアエロリットが、後続を寄せ付けず毎日王冠を制した。左端は2着のステルヴィオ
逃げたアエロリットが、後続を寄せ付けず毎日王冠を制した。左端は2着のステルヴィオ

 アエロリットの上がりに注目したい。平均に速いラップを刻んで押し切るスピード馬が、33秒8で後続を突き放した。それだけパワーアップしている証拠。課題は右回りか。もちろん【1302】で下手ではないが、左回りほどの安定感はない。あとは坂の下りをこなせれば。

 ステルヴィオは最速33秒2の脚を使った。スローの瞬発力勝負が得意。速い流れでどこまで脚をためられるか。5着ケイアイノーテックは、内から差を詰めたところに成長の跡が。本来は大外へ出した方が伸びる馬。マイルに短縮するのもプラスだ。

切れ復活 クエスト

<スワンS>◇10月27日=京都◇G2◇芝1400メートル◇3歳上◇出走11頭◇

ゴール前、モズアスコット(左奥)を差し切ってスワンSを制したロードクエスト(右手前)
ゴール前、モズアスコット(左奥)を差し切ってスワンSを制したロードクエスト(右手前)

 ロードクエストに切れが戻った、最近は前へつける競馬をさせていたが、じっくりためた方がいいのかもしれない。2着モズアスコットは、勝ちパターンだったが、最後は2キロ差(58キロに対して勝ち馬は56キロ)が響いたか。馬体にも余裕があったし、上積みは大きそう。7着レーヌミノルは逃げたのが裏目に出た。前に馬を置いた方が切れる脚が使える。

進境折り合った クライ

<富士S>◇10月20日=東京◇G3◇芝1600メートル◇3歳上◇出走18頭◇

ゴール前抜け出したロジクライが富士ステークスを制した
ゴール前抜け出したロジクライが富士ステークスを制した

 ロジクライは折り合いに進境を見せた。2番手でも前を追いかけることなく、しっかり脚がたまっていた。1分31秒7、上がり33秒9は完勝。3着レッドアヴァンセは外を回って0秒3差。休み明けを考えれば、勝ちに等しい内容だ。4着エアスピネルは追ってからピリッとしなかった。どこまで良くなるか。5着ペルシアンナイトは直線で両サイドから挟まれる不利が痛い。大跳びでエンジンのかかりが遅い馬だけに、あそこでブレーキをかけたのは致命的。富士S組で巻き返しがあれば、この馬だろう。