頭下がってパワーUP期待ダイア/マイルCS

マイルCSはスワンSで重賞初制覇を飾ったダイアトニック(牡4、安田隆)が怖い。水島晴之記者の「G1前哨戦その一瞬」は、スタートした時の頭の位置に注目する。3月のダービー卿CTでは、伸び上がるように頭を上げてゲートを出たが、前走は低い姿勢からスムーズに流れに乗った。これが意味するものとは。

スワンSを制したダイアトニック
スワンSを制したダイアトニック

完成の域 ダイアトニック

<スワンS>◇10月26日=京都◇G2◇芝1400メートル◇3歳上◇出走18頭◇

スワンSでダイアトニックと初コンビを組んだスミヨン騎手は「ゲートをうまく出てくれた」と、スタートを勝因に挙げた。横からのモニターを見ると、出た瞬間は内側のモーニンとかぶって姿が見えない。それだけ低い姿勢で飛び出した証拠。あらためて正面からのパトロールビデオで確認しても、頭を上げることなくスムーズに加速していたのが分かる。

1月の祇園特別、3月のダービー卿CTは伸び上がるように出て、流れに乗るまでにロスが生じた。同じ後ろの位置でも、出遅れと意識的に下げたのでは、しまいの切れに影響する。前走が本来の形。安田隆師も「以前はトモなどに緩さがあったが、ここにきて馬がグンと良くなった」と成長を認める。スタートで頭を上げなくなったのは、トモの入りが良くなり力がついたことを意味する。

もう1つ、パワーアップを証明したシーンがある。4角から直線にかけての走りだ。2馬身前を行くモズアスコットの外から並びかけにいくが、緩さがあった以前なら瞬時にトップスピードに入らず、内外の差で離されていただろう。G1馬の加速についていき、鼻差とはいえ最後に逆転できたのは、体がしっかりして反応が速くなったから。ようやく完成の域に近づいたとみていい。

京都は5戦5勝と抜群の相性。マイル戦は【1112】と結果はもうひとつだが、本格化した今なら問題ない。「頭が下がって地力アップ」。この秋一番の上がり馬が、大舞台に駆け上がる。

スミヨンの技 レイエンダ

<富士S>◇10月19日=東京◇G3◇芝1600メートル◇3歳上◇出走18頭◇

2着レイエンダはスミヨン騎手の好騎乗が光った。前半1000メートル58秒9の流れを後方3番手に控え、大外から一気に末脚を伸ばした。折り合いの難しい馬だが、リズム重視で切れを生かした。この競馬ができればG1でも善戦が可能だ。 3着レッドオルガはロスなく回った結果。あれ以上は厳しい。4着クリノガウディーは、メンバー3位の上がり33秒3で追い込んだ。直線は馬群を突いてスムーズさを欠いた面もあり、外を回っていればもっと際どかった。安定感はないがさすがはG1(朝日杯FS)2着馬。ここでも通用する脚はもっている。

マイル最強級 キングリー

<毎日王冠>◇10月6日=東京◇G2◇芝1800メートル◇3歳上◇出走10頭◇

ダノンキングリーの強さが際立った。スタートのタイミングが合わず1馬身遅れ。逃げたアエロリットの前半600メートルは35秒5。開幕週、G1級のメンバーを考えればかなり遅い。この流れを最後方から4角大外。2番手からいったん先頭に立ったインディチャンプが34秒4で上がる中、33秒4の脚で差し切り、2着に1馬身 1/4 差は文句なし。1600~1800メートルでは古馬相手でも最強クラスとみていい。

3着インディチャンプはいかにも休み明けという内容。安定した先行力と瞬発力があり、ひとたたきした上積みも見込める。ただ右回りより、左回りが合う印象もあり、そのあたりが課題か。4着ペルシアンナイトは、直線で少し狭くなったが、やや切れ負けした感じも。京都替わりはプラスに働く。6着のモズアスコットは本来の切れがなかった。たたいたスワンSで2着しており復調は急だ。

地力は見せた プレミアム

<天皇賞・秋>◇10月27日=東京◇G1◇芝2000メートル◇3歳上◇出走16頭◇

ダノンプレミアムは、正攻法の競馬でアーモンドアイを負かしにいった。その分、ゴール前は脚が上がり3着馬に詰め寄られたが、あらためて力は見せた。スピードの持続力があり、1600メートルに距離が短縮するのも歓迎だ。14着のアルアインは、休み明け、東京2000メートルの大外枠と不利な条件がそろった。この結果は度外視していい。本来はコーナー4つが合っているが、昨年3着馬で軽視は禁物。