ディアマンテ 奇襲/ダービー

ダービーを大相撲に例えると、皐月賞馬サートゥルナーリアが横綱。2、3着のヴェロックス、ダノンキングリーが大関。この3強を崩す伏兵はいるのか? 水島晴之記者が分析する「G1前哨戦その一瞬」は、横綱相撲をした京都新聞杯で黒星がついたタガノディアマンテ(牡、鮫島)の巻き返しに注目。田辺騎手に戻り「技のデパート」よろしく奇襲で金星を狙う。

京都新聞杯で好位から5着 ディアマンテ

<京都新聞杯>◇5月4日=京都◇G2◇芝2200メートル◇3歳◇出走14頭◇

大相撲夏場所で場内を沸かしている力士がいる。前頭14枚目の炎鵬(写真)だ。168センチ、99キロ。関取最軽量ながら6日目には、約80キロも重い矢後を上手ひねりで破った。まともに当たっては勝ち目がないが、相手の圧を受けないように下から潜って小技で仕留めた。

ちょっと本題からはそれたが、今年のダービーも皐月賞上位組が強い。がっぷり組んで勝つのは難しい相手。サートゥルナーリアから金星を取るには、やはり奇襲しかない。その可能性を秘める馬が、京都新聞杯5着のタガノディアマンテだ。スプリングS、皐月賞は後方から大外をまくって4、6着。馬券圏内には届かなかったが、皐月賞の上がり34秒4は、2着ヴェロックスと並んで2位タイ。ためれば脚を使うことを証明した。

ところが、前走は1番人気のプレッシャーか、ポジション(3番手)を取りにいったのが裏目に出た。直線は伸びを欠いて、ゴール前失速。逃げたロジャーバローズに突き放され、後ろの馬にも軽くひねられた。鮫島師は「レースの形は悪くなかったが、じっくり脚をためた方がいい」と振り返る。大一番を前に横綱相撲が合わない、と分かっただけでも収穫だ。では、どんな奇襲が考えられるか。

◆奇襲1・内無双 東京での未勝利勝ちは、直線内ラチ沿いを伸びた。皐月賞は外を回ったが、この競馬ができれば本命馬の懐に鋭く飛び込み、〝脚〟をすくう競馬で一発が狙える。

◆奇襲2・外掛け きさらぎ賞(2着)では、離れた最後方から大外を強襲した。ダノンチェイサーには0秒3届かなかったが、上がり34秒4は勝ち馬を0秒4しのぐメンバー最速。まさに切れ味鋭い〝外駆け〟だった。本命馬の視界に入らない大外から出し抜けを食らわす。

人気薄の田辺騎手ほど怖いものはない。2回コンビを組んで、どれくらい脚を使うかは計測済み。徳俵に足がかかってからの「うっちゃり」が決まれば、三賞候補に入ってくる

皐月賞 ゴール前3頭の競り合いを制したサートゥルナーリア(手前)
皐月賞 ゴール前3頭の競り合いを制したサートゥルナーリア(手前)

横綱相撲だ サートゥル

<皐月賞>◇4月14日=中山◇G1◇芝2000メートル◇3歳◇出走18頭◇

サートゥルナーリア(写真手前)は、2着ヴェロックスをマークする形でたたき合いを制した。直線に向いた時はもっと楽に抜け出すかと思ったが、突き放せなかったのは久々の影響か。それでも負けないあたりが能力の高さ。たたいた上積みは必至で、前走以上の横綱相撲が見られそう。

2着ヴェロックスは直線サートゥルにぶつけられたのが痛い。バランスを崩しながら盛り返しており、スムーズなら逆転があった。ジャスタウェイ産駒だが、跳びが大きくゆったり走るので2400メートルは向く。3着ダノンキングリーは内から突き抜ける勢いもゴール前で甘くなった。こちらは400メートルの延長がどう出るかだ。

5着クラージュゲリエは4角で勝ち馬の後ろにいたが一瞬で離された。瞬発力勝負では分が悪い。距離延長でどこまで詰めるか。8着アドマイヤジャスタは位置取りの差。しぶとさを生かすタイプで、後ろからでは厳しい。先行できれば変わる。17着ニシノデイジーは掛かって競馬にならなかった。左回りでスムーズな競馬ができれば一変も。

見事な粘り腰 リオンリオン

<青葉賞>◇4月27日=東京◇G2◇芝2400メートル◇3歳◇出走16頭◇

リオンリオンが積極的に前へ前へ出て、そのまま寄り切った。横山典騎手の好騎乗もあるが、詰め寄られてからの粘り腰も見事。やや重で2分25秒0の時計も速く、自分のリズムで走れればG1級相手でも引けは取らない。

2着ランフォザローゼスは直線で1頭になると、内外へふらついた。それでも鼻差まで詰め寄ったようにポテンシャルは高い。真っすぐ走っていれば差し切っていただろう。切れるというより長く脚を使うタイプ。東京2400メートルはぴったりだ。