<新馬戦情報>

名伯楽と名手のタッグで、大器がベールを脱ぐ。おととしのセレクトセール当歳部門で1億1000万円(税抜き)の値がついたシュバルツガイスト(牡、父キタサンブラック)が、24日(日)の札幌芝1800メートルでデビュー戦を迎える。

管理するのはJRA通算1001勝を誇る国枝栄調教師(67)。鞍上は6度ダービーを制覇した武豊騎手(53)。2人のビッグネームが携わる素質馬が、才能の片りんを見せつける。

笑顔が咲いた。シュバルツガイストは13日、函館の芝コースに姿を見せた。1週前追い切りでは、その週末に函館記念を勝つハヤヤッコの後ろで折り合い、直線は武豊騎手が手綱を持ったままで圧倒。4ハロン53秒3-11秒7を計時して引き揚げると、名手は馬上で白い歯を見せ、好感触を伝えた。「少し用心深いけどいい動きをしていますね。走りそうな馬ですよ」。国枝師も「豊くんもいいことばかり言ってくれたから、ひと安心。夢はふくらむばかりだよ」と、ほおを緩ませた。

前評判は高い。今年持ち馬がデビューしたインゼルサラブレッドクラブが新規参入を見据え、2020年セレクトセール当歳部門で1億1000万円で落札。

父キタサンブラックは初年度産駒イクイノックスが皐月賞、ダービーでともに2着。母フリーティングスピリットは今年キングエルメスが挑んだ(11着)英スプリントG1のジュライCを制した良血だ。半兄のミッキースピリットは千二から千四で計4勝も、師は「キタサンブラックでちょうどいい感じに出たんじゃないかな。距離はあってよさそう」と適性を見込む。

1週前追い切り翌日の先週木曜に函館から札幌へ移動した。19日は角馬場で体をほぐし、ダートコースを1周。落ち着いた様子で、480キロ前後で均整の取れた柔らかみのある好馬体が目を引く。師の長男で担当の国枝純助手は「輸送もスムーズで環境の変化にも動じませんね。全体的に点数の高い馬です」と顔をほころばせる。水曜の最終追い切りは、再び武豊騎手が手綱をとる予定。人々の笑顔の先には、明るい未来が待っている。【桑原幹久】

◆国枝師と武豊騎手 93年いちょうSのバンダムナイトで初タッグ(4着)。以降通算78戦11勝、勝率14・1%、連対率26・9%、複勝率42・3%と好数字が並ぶ。重賞勝利は1度あり、20年弥生賞ディープインパクト記念をサトノフラッグで制した。

◆武豊騎手の札幌新馬戦 61戦騎乗し【14 15 9 23】で勝率23・0%、連対率47・5%。96年オークス、97年天皇賞・秋制覇のエアグルーヴは、95年札幌芝1200メートルでデビューし初戦2着、2度目の新馬戦で5馬身差圧勝(当時は同開催内の新馬戦に複数回出走可能)。

  1. お得な新入会プラン登場! 競馬情報サイト【極ウマ・プレミアム】
  2. 競馬予想に【ニッカンAI予想アプリ】