函館最終週の土曜メイン・函館2歳S(G3、芝1200メートル、16日)の最終追い切りが13日、函館競馬場で行われた。デビュー2連勝を狙うクリダーム(牡、須貝)は武豊騎手(53)を背に芝コースで3頭併せ。軽快な脚さばきを見せた。JRA重賞350勝に王手をかける名手に導かれ、現2歳世代最初の重賞タイトル奪取を目指す。

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力強い蹄音を響かせながら、栗毛の馬体が北の大地を駆け抜けた。雨が降る午前6時の函館競馬場。公開調教に訪れたファンの熱視線を浴びながら、武豊騎手とクリダームが最終追い切りを披露した。

芝コース、3頭併せの最内から鋭く伸びて5ハロン68秒6-11秒7。中ゲイングラウンド(3歳未勝利)、外マジカルステージ(古馬2勝クラス)と併入した。鞍上は「動きは悪くなかった。テンションが高くならなければいいなと思っていたけど、そこまで上がっていなかった」と上々の感触を伝えた。

数々の記録を打ち立て続ける名手・武豊騎手は、前人未到のJRA重賞350勝に王手をかける。自身、97年アグネスワールド以来の函館2歳S制覇(当時は函館3歳S)で偉業達成となるか。「レコードだったよね。当時は相当走るなと思っていたよ」と振り返る同馬と同様に、クリダームの素質も高く評価する。

「新馬戦は期待通りの内容で勝った。時計は速かったし、2着馬(ミシェラドラータ)もすぐ勝っていたから。前向きな気性、スピードがいいと思う」

淡々と語るその表情に手応えがにじむ。今年のダービーを勝ったレジェンドが、次世代最初の重賞でまた偉大な区切りを迎えそうだ。【藤本真育】

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