<皐月賞>◇17日=中山◇G1◇芝2000メートル◇3歳◇出走18頭◇5着までにダービー優先出走権

5番人気ジオグリフ(牡、木村)が差し切り、混戦のクラシック1冠目を奪い取った。

初コンビを組んだ福永祐一騎手(45)を背に、直線で先に抜け出した同厩舎のイクイノックスをゴール前で鮮やかに捉えた。1馬身差をつけてG1初V。勝ちタイムは1分59秒7。鞍上は20年コントレイル以来2年ぶりに皐月賞を制覇した。

ダービー(G1、芝2400メートル、5月29日=東京)で2冠取りに挑む。

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緑のターフに映える栗毛の馬体を揺らし、直線でジオグリフが飛び込んできた。長くいい脚を持続させる持ち味を発揮。先に抜けたイクイノックスに迫り、ゴール手前で差し切った。福永騎手は「してやったりの気持ちですね。最大限、集中したスタートが決まったのが大きかった。中山2000は位置取りが重要だから、いいスタートが絶対条件。イクイノックスと併せる形でなかなかかわせなかったけど、ステッキを入れたら素晴らしい反応でした」。発馬を決めて理想的な好位5、6番手を確保した。初コンビを組むため、追い切りにも騎乗してパートナーの特徴を理解した。この日は外が伸びる馬場傾向を考え、勝利へのイメージを膨らませた。「すごく達成感があるし、いい仕事ができたと思う」と胸を張った。

関東の木村厩舎と関係を深めてきた。同厩舎の馬では初のG1勝ちで、喜びはひと味違う。「(19年に4回騎乗の)プリモシーンくらいからよく乗せてもらっていて、非常に優秀で熱意を持ったスタッフと、いいコミュニケーションを取りながら馬を作ることができた。そういった過程をへて、G1を取れたことはうれしかったですし楽しかったですね」と実感を込めた。木村師も「スタッフともよく話してくれて、みんなが福永さんといい仕事がしたいという思いは強い」と鞍上に感謝した。帰り際にはスタッフと笑顔で記念撮影。厩舎初のクラシック制覇で、絆はさらに深まった。

混戦の皐月賞を勝った。目指すは3歳世代の頂点ダービー。師は「難しい距離ですが、チャレンジしていくしかないと思う」と言った。福永は「距離が延びるのは未知数で、迎え撃つほど楽な相手ではない」と気を引き締めた。会心の1冠奪取を大きなステップにして、2冠への新しい道のりを乗り越えていく。【井上力心】

◆ジオグリフ ▽父 ドレフォン▽母 アロマティコ(キングカメハメハ)▽牡3▽馬主 (有)サンデーレーシング▽調教師 木村哲也(美浦)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 5戦3勝▽総収得賞金 2億3581万4000円▽主な勝ち鞍 21年札幌2歳S(G3)▽馬名の由来 地上絵

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