<スプリングS:追い切り>

皐月賞トライアルのスプリングS(G2、芝1800メートル、20日=中山、3着まで優先出走権)で重賞初勝利を目指すアルナシーム(牡、橋口)が17日、栗東Cウッドの木曜追いで抜群の伸びを見せた。前走後にゲート再審査を課せられ、中間はゲート練習をしつつの調整だったが、仕上がりは上々。朝日杯FS4着馬が進化した姿を見せそうだ。

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小柄だが、きゃしゃには見えない。しっかりと筋肉をまとったアルナシームはCウッドの直線で福永騎手が肩ムチを入れると、素早く反応し11秒8(5ハロン71秒6)でフィニッシュした。「動きは良かった。休み明けだった前走を使って、だいぶ動きが軽くなっている」と橋口師は満足げだった。

昨年の朝日杯FSではスタートで出遅れたのが災いし、直線では馬場が悪い内を突く形になった。それでも4着まで追い上げた実力馬だ。「質のいい筋肉をした馬で、体形も走りも母の父のディープインパクトに似ている」と橋口師は評価する。だが、今年初戦のつばき賞ではゲート入りをごねる気の難しさを見せて2着に敗れ、ゲート再審査も課せられた。

この中間は難しいとされるゲート練習をしつつの調整。だが、それも順調にこなし追い切り前日の水曜日(16日)にゲート試験に合格。福永騎手は「筋肉は硬くなっていないし、いい感じできている」と好感触をつかんでいる。

この中間のゲート練習には副次的効果もあった。「前走もゲートを出るのはスムーズだったけど、練習していくうちにさらにスタートが速くなった」(橋口師)とこつをつかんだ。今回はこれまでより前めの位置でレースを運ぶ可能性もありそうだ。いろいろな経験を積んできた素質馬が、ここでひと皮むけるかもしれない。【岡本光男】

◆前走1勝クラス組のスプリングS成績 過去10年で【6 4 3 39】と最多の6勝。15年キタサンブラック、17年ウインブライトも1勝クラスから当レースを勝利し、のちにG1馬となった。

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