<弥生賞ディープインパクト記念>◇7日=中山◇G2◇芝2000メートル◇3歳◇出走10頭◇3着までに皐月賞優先出走権

伏兵が2歳王者を撃破した。横山武史騎手(22)騎乗の4番人気タイトルホルダー(牡、栗田)が逃げ切り、JRA重賞初制覇を飾った。勝ち時計は2分2秒0。ドゥラメンテ産駒はJRA重賞初勝利。

2着馬シュネルマイスター(牡、手塚)、1番人気3着のダノンザキッド(牡、安田隆)までが皐月賞(G1、芝2000メートル、4月18日=中山)の優先出走権を手に入れた。

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止まらない。タイトルホルダーが後続を引き離しにかかった。横山武騎手は4角、直線入り口と2度、ちらりと後続に目を向けた。2番手に2連勝中シュネルマイスター、さらに後方に最優秀2歳牡馬ダノンザキッド。パートナーの余力は十分ある。相手の手応えを確かめて、自信を持って追った。「単騎で、自分のペースで行けました」。上位人気馬2頭が追い上げてこようとも、リードを守り抜いた。

理想的な展開に持ち込んだ。良馬場でも前半1000メートルが62秒6のスロー。テン乗りながら2度の調教騎乗で感触をつかんでいた。「スタートはいつも速い馬。こういう形はイメージ通りでした」。中間は燃える気持ちをクロス鼻革で抑制し、操縦性を引き出した。栗田師も「前々で長くいい脚を使うのが見えた。自分で競馬をつくれましたね。枠、スピードを生かしてよく乗ってくれた」と鞍上をねぎらう。火曜に腹痛を起こしたため、大事を取って最終追いは木曜へ。慎重な判断も功を奏した。

晴れてクラシックへ。栗田師は「やっとヒゲが剃れるよ」とマスクをずらして笑った。厩舎としては1月5日以来の勝利。勝つまでと決めて未勝利の間、伸ばし続けたヒゲは口元を黒々と覆っていた。「前哨戦ですし、権利を取れて結果を出せたのは大きい」。東スポ杯2歳S(2着)、ホープフルS(4着)と2度負けたダノンザキッドを倒し、“暫定王者”となった。笑顔も気持ちもすっきりして本番の皐月賞に向かえる。横山武騎手にはお手馬エフフォーリア(共同通信杯優勝)もいるため鞍上は流動的だが、次に狙うのは中山2000メートルの“統一王者”。6週間後の決戦まで、スピードと持久力に磨きをかける。【松田直樹】

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