<共同通信杯>◇14日=東京◇G3◇芝1800メートル◇3歳◇出走12頭
エピファネイア産駒の4番人気エフフォーリア(牡、鹿戸)がデビューから無傷の3連勝でJRA重賞初制覇を果たした。
好位3番手から直線で早々と先頭に立つと一気に後続を突き放した。横山武史騎手(22)の騎乗で勝ちタイムは1分47秒6。今後は放牧を挟み、皐月賞(G1、芝2000メートル、4月18日=中山)が目標になる。
朝日杯FS2着の1番人気ステラヴェローチェ(牡、須貝)は5着に敗れた。
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ゴール板を先頭で駆け抜けると、エフフォーリアの横山武騎手は右のこぶしを振り下ろし、左のこぶしを突き上げた。東西の素質馬がそろった一戦で2馬身半差の快勝。鞍上は「前走はテンションが高かったけど、今回は落ち着いていて、力を遺憾なく発揮することができました」と言葉をはずませた。
積極的に逃げる馬がおらず、5Rの未勝利戦(ゴールデンシロップ)より0秒9、9Rの3勝クラス(初音Sデゼル)より2秒2も遅い平凡な勝ちタイム(1分47秒6)。序盤の位置取りと仕掛けのタイミングが勝敗を分けた一戦だった。1000メートル通過61秒9のスローペースを好位で折り合い、上がり3ハロン33秒4の脚を使われては後続もノーチャンスだった。
完璧かと問われた鹿戸師は「そうですね。強いのひと言。瞬発力があるので、先に抜け出してしまえば大丈夫と思って見ていました」と想定内の圧勝劇を笑顔で振り返り、「彼(横山武)は勉強熱心だし、ガッツもある。気持ちいい競馬をしてくれます」とデビューからコンビを組む人馬をたたえた。
札幌の新馬戦、昨秋東京の百日草特別に続く3連勝。今後はノーザンファーム天栄へ放牧に出され、皐月賞直行が有力だ。鞍上は「次はG1を勝てるように」と期待し、調教師は「一戦ごとに牧場から馬が丈夫に、大人になって帰ってくる。小回りの札幌で勝っていて、中山も不安はない。もっと強い馬も出てくると思うので、じっくり鍛えます」と大舞台を意識する。昨年の3冠牝馬デアリングタクト、菊花賞2着アリストテレスと同じエピファネイアの2世代目産駒。父の勝てなかった皐月賞、ダービー制覇へ楽しみな春がやってくる。【木南友輔】