来月の「香港国際競走デー」のトライアルとなる3つのG2競走が、20日(日)に本番と同じシャティン競馬場で開催されます。

12月11日(日)の香港国際競走(4競走)には3年ぶりにオセアニア馬が参戦予定。日本調教馬もすでに10頭を超える馬が招待を受諾していて、これに欧州馬と地元代表が加わり、それぞれのレースがバラエティーに富んだメンバー構成になりそうです。

20日に行われる前哨戦の中で最も重要視されるのが、本番のG1香港マイルにつながるG2ジョッキークラブマイル(芝1600メートル)です。ここには8頭が出走を予定していますが、ファンの注目を集めているのが24戦21勝、G1だけで6勝を挙げる王者ゴールデンシックスティ(せん7、父メダリアドーロ)と、若武者カリフォルニアスパングル(せん4、父スタースパングルドバナー)の2度目の対決です。両馬の初対戦となった4月のG1香港チャンピオンズマイル(芝1600メートル)は逃げるカリフォルニアスパングルを、ゴールデンシックスティが残り200メートルで捉えて優勝。王者の貫禄を見せつけました。

カリフォルニアスパングルにとってはまさに「蛇ににらまれたカエル」。着差は2馬身でしたが格の違いは歴然で、大相撲に例えるなら伸び盛りの若手が横綱の胸を借りるようなものでした。

ゴールデンシックスティはその後、休養に入りましたが、カリフォルニアスパングルは新シーズンが始まった9月に復帰して、G3セレブレイションC(芝1400メートル)と10月のG2シャティンT(芝1600メートル)を連勝(通算12戦8勝2着4回)。出世階段を順調に駆け昇っています。

王者陣営は「ジョッキークラブマイルはあくまでもトライアル」と余裕をのぞかせていますが、7カ月の時を経て着実に実力をつけてきたカリフォルニアスパングルは、ここも全力で逃げるのみ。いつかはやって来る世代交代の時期は、意外に早く訪れるかもしれません。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)

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