2日の凱旋門賞でタイトルホルダー(牡4、栗田)に騎乗した横山和生騎手(29)がフランスギャロから5日間の騎乗停止処分を受けた。理由は「凱旋門賞の本馬場入場の際、他馬と並んで歩かず、スタート地点に向かったため」となっている。

凱旋門賞の場合、馬場入りした各馬は厩務員や助手などに馬を引かれながら、ゆっくりとスタンド前を歩いていくもの。今回のタイトルホルダーは他馬より早くゲートへ向かって走っていったのだが、騎乗停止という処分は日本の競馬の常識からすると、非常に厳しく感じられる。

この処分について、美浦の関係者、調教師や騎手、厩舎スタッフからは前向きな声や戸惑いの声、さまざまな意見を聞いた。

「本来は日本も決勝線(ゴール板前)を歩いていかなければいけない。そういうルールがあるのに、主催者も我々もナアナアにしてきてしまったところがあるかもしれない」(調教師)。「新馬戦の時なんかは丁寧にやっているけど、1頭がサッと行ってしまえば、次々に続いてしまうようなところがあった」(調教師)。「騎乗停止という処分をすごく重く感じましたけど、それだけ馬場入場は大事なものなんだな、と。改めて考えさせられました」(調教師)。

この「ルール」というのは「日本中央競馬会競馬施行規程」に記載されている。(※JRAの公式ホームページ内で閲覧可能。トップページの企業情報→JRA関係法令等→)

「第106条 騎手は、馬場に出た馬を、審判台の前を常歩で通過させなければならない」。

「なみあし(常歩)で通過させるというのはルールなんですけどね・・・。もちろん、できる馬はやってます。ただ、テンションが上がって歩けない状態の馬を人が無理に引いて歩かせようというのは危険だし、他の馬にも迷惑をかけてしまう可能性があるし・・・。このルールで騎乗停止のような罰則を厳格にされてしまうと厳しいです」(騎手)。そういう戸惑いの声も聞いた。

海外遠征、凱旋門賞という舞台で受けた騎乗停止処分。厳しく感じられるが、フランスが特別なわけではなく、日本にもこのようなルールがあることをはっきりと認識するきっかけになった。

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