今年の凱旋門賞は、アルピニスタ(牝5、M・プレスコット)が制した。昨年4月デイジーウォリックS(リステッド)から、8連勝での栄冠。G1は昨年8月ベルリン大賞から6連勝となった。

タイトルホルダーが逃げる中、抜群の手応えで抜け出したレースを見ると、凱旋門賞への適性の高さを感じずにはいられない。それもそのはず。アルピニスタの血統表は「凱旋門賞」にまつわる馬で彩られていた。

父は“怪物”フランケル。生涯14戦14勝という見事な戦績ながら凱旋門賞の参戦歴はなく、産駒の凱旋門賞制覇もアルピニスタが初めてだが、その血は「凱旋門賞色」で満載だ。まず、フランケルの母母父レインボウクエストは、1985年の凱旋門賞馬だ。

フランケルの母父デインヒルは、2007年凱旋門賞馬ディラントーマスの父で、母父としても2011年凱旋門賞馬デインドリームを輩出している。

フランケルの父ガリレオの産駒には、2016年ファウンド、2019年ヴァルトガイストと凱旋門賞馬がいる。そのガリレオの父はサドラーズウェルズで産駒には、1994年カーネギー、1999年モンジューと凱旋門賞馬がいる。

一方、アルピニスタの母系を見ると、3代母の父ダルシャーンは、1984年の仏ダービーで先述したレインボウクエスト(3着)、サドラーズウェルズ(2着)を破って優勝。その産駒には、2003年凱旋門賞を制したダラカニがいる。

そして最も“因縁”を感じるのは、アルピニスタの母父エルナンドと、父父母アーバンシーの関係性だ。エルナンドは、1993年の仏ダービー馬。同年凱旋門賞は1番人気に推されたが、16着に大敗した。そのレースで1着だったのが、アーバンシーだ。当時13番人気の「大穴」だった。引退後は、ガリレオや、2009年凱旋門賞を制したシーザスターズを輩出。それらの母として、今では世界中に血脈を広げている。

ダルシャーン、サドラーズウェルズ、レインボウクエスト、さらにアーバンシーとエルナンドの血も持つアルピニスタ。血統が持つドラマ、奥深さをあらためて感じた凱旋門賞だった。【極ウマYouTube血統担当=木村有三】

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