凱旋門賞(G1、芝2400メートル、10月2日=パリロンシャン)まで3週間を切った。今年は日本から過去最多4頭が参戦予定。ダービー馬ドウデュース(牡3、友道)、G1・3勝タイトルホルダー(牡4、栗田)、海外重賞2勝ステイフーリッシュ(牡7、矢作)、2年連続参戦のディープボンド(牡5、大久保)に立ちはだかる馬は・・・。愛チャンピオンS(G1、芝2000メートル)や現地前哨戦(ニエル賞など)が先週終了。現時点の出走予定馬と展望をお届けする。

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今年の凱旋門賞は10戦無敗の最強馬バーイードが絶対的な存在だ。マイル王が初めて2000メートル級に挑んだ8月の英インターナショナルSを6馬身半差で圧勝。陣営は10月15日の英チャンピオンS(G1、芝1990メートル、アスコット)との両にらみを公言している。距離が未知数とはいえ、出走なら1番人気は確実。馬場状態を考慮し、ギリギリまで引っ張るとすれば、追加登録の締め切りとなるレース4日前(28日水曜)まで出否は分からない。同馬の出方次第で出否を決める他陣営がいてもおかしくない存在にある。

仮にバーイード不在なら大混戦だ。本来、2400メートル路線の軸になる英ダービー馬デザートクラウン、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS覇者パイルドライヴァーがともに故障で離脱。昨年旋風を巻き起こしたゴドルフィンのアダイヤー、ハリケーンレーンは順調さを欠いた。主役に浮上してきたのが、名門A・オブライエン厩舎のルクセンブルク。筋肉痛で英ダービーを見送ったが、先週の愛チャンピオンSで仏ダービー馬ヴァデニ、パリ大賞の覇者オネストを封じた。

牝馬が強い近年の傾向もあり、G1・5連勝中のアルピニスタも注目が集まる。7月にフランスでサンクルー大賞を勝ち、有力ステップのヨークシャーオークスを勝利。昨年のドイツ遠征ではトルカータータッソを破った実績もある。2頭に続く存在が菊花賞、天皇賞・春、宝塚記念を制した日本馬タイトルホルダーだ。

先週復帰戦を飾ったアダイヤー、キングジョージで1番人気だったウエストオーバーも能力は高い。例年同様、雨の多い季節で馬場が悪化ならドイツ勢やパリロンシャンに慣れた地元フランス勢にチャンスが広がってくる。今年の日本馬4頭は生産者もオーナーも血統もさまざまで、どの馬にも可能性を感じる布陣だ。【木南友輔】

◆バーイード 英国産の4歳牡馬。父シーザスターズ。3歳6月の未勝利戦デビューから10戦10勝。4戦目の7月のサラブレッドS(G3)で重賞初制覇。続く9月のムーランドロンシャン賞で初のG1勝ち。前走の英インターナショナルSまでG1・6連勝中。

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