21年度ばんえい競馬が23日、帯広競馬場で開幕する。昨年12月にデビューした金田利貴騎手(23)は、20年度末の3月21日までに39勝を挙げ、新人騎手とは思えない存在感を示して注目を浴びた。15年夏の全国高校野球選手権に出場した元甲子園球児という異色の経歴を持つ大型ルーキーが、新年度の「ばんばで栄冠」を目指していく。

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ミットとバットを手綱に持ち替え「1頭入魂」の精神で愚直に勝利を追い求めてきた。白樺学園高の元チームメートらが場内で見守る中、昨年12月12日にデビュー。「緊張と、聞き慣れた声で涙が出そうだった」。同日は4レースに騎乗して3着2回など好走。翌13日の8戦目で初勝利を挙げると、20年度最終日の3月21日までに39勝をマークした。

今年に入ってから一気にブレークした。1月から年度末までの勝ち星は34。同期間の勝ち星を比較すると20年度リーディング1位を獲得した阿部武臣の48勝(通算180勝)、松田道明41勝(通算128勝)に次ぐ、3番目に多い数字だ。「関係者の皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。ただ、勝てそうで落としているレースもあったのでそこは反省点です」と振り返る。

白球を追い続け、白樺学園高3年時に甲子園の土を踏んだ。試合は下関商高(山口)との1回戦では延長11回3-4でサヨナラ負けを喫した。背番号は12。出場機会はなく、「悔しい思いが強い」と振り返る。聖地での1勝はならなかったが、貴重な体験の1つ1つが自らを支えている。「キャッチャーだったので馬を鼓舞する大きな声には自信があります」と笑う。

新年度の活躍次第では11年の島津新以来となる日本プロスポーツ大賞新人賞、NARグランプリ優秀新人騎手賞も視野に入る。「50勝で10キロ減の特典がなくなるので、そこからが本当の勝負です。(白樺学園高野球部の)戸出直樹監督の『同じレベルの戦いではミスの多い方が負ける』という言葉を肝に銘じています。どんな小さなミスもなくし、レベルアップしていきたい」と力を込めた。【奥村晶治】

◆金田利貴(かねた・りき)1998年(平10)1月15日、帯広市生まれ。白樺学園高では、昨年のドラフト4位でロッテ入りした河村説人(星槎道都大)と同学年。3年時の15年夏の甲子園に出場。札幌大に進学し、野球を続けたが18年9月に中退。調教師の父勇さんのもとで厩務員となり、2度目の騎手試験で合格。初騎乗は20年12月12日、同13日に8戦目で初勝利。通算268戦39勝。

◆日本プロスポーツ大賞新人賞&NARグランプリ優秀新人騎手賞 日本プロスポーツ大賞新人賞(15人)は当該年度1年間に抜群の業績を残した新人選手に与えられる。日本プロスポーツ協会の各加盟団体の推薦を得て、理事会で審査の上、決定。NARグランプリ優秀新人騎手賞は、地方競馬全国協会(NAR)が90年度から設けた年間表彰制度の騎手部門の1つ。30勝以上を挙げた地方競馬の騎手を対象に、総合的に評価して最も成績が優秀だった1人を選定。

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