<フェブラリーS>◇21日=東京◇G1◇ダート1600メートル◇4歳上◇出走16頭

ダート界に新王者が誕生した。1番人気カフェファラオ(牡4、堀)が無観客で行われたJRAの今年のG1初戦を制し、G1初勝利を挙げた。促して3番手追走から最後の直線で抜け出した。勝ちタイムは1分34秒4。

クリストフ・ルメール騎手(41)は昨年のモズアスコットに続く連覇を飾った。

   ◇   ◇   ◇

ルメール騎手はカフェファラオの能力を信じていた。中団後方を追走した近2走とは違い、先行策。好スタートから鞍上に促され、3番手をキープした。向正面では内へ押し込められる場面も見られたが、直線入り口で前を走るワイドファラオの外へ出してからの伸びは抜群だった。ルメール騎手は「絶対にスピードはあると思っていた。だから今日は絶対にいいポジションを取りたいと思っていました。直線に向いた時の手応えがとてもよく、勝つ自信がありました。ラスト250メートルでムチを入れた時には改めて反応してくれました。絶対にG1を勝てる馬だと思っていました。G1を勝ててよかったです」と満足そうに振り返った。

強いカフェファラオが戻ってきた。2着に10馬身差をつける衝撃デビューから3連勝。いずれも圧倒的な強さを見せつけ、ダート界の大物誕生を予感させた。だが、圧倒的1番人気のジャパンダートダービーで7着に敗れ、チャンピオンズCも6着。陣営はチークピーシズを着用するなど、馬具を工夫して挑んだ。「チークを使って、反応がとてもよかったし、集中して走ってくれた」と鞍上もその効果を感じ取った。

さらに良化の余地を秘める。堀師は「結果が出てうれしいし、ホッとしている」という言葉とともに、課題を多く指摘した。「返し馬ではうまくいっていたが競馬では所々サポートが必要な場面が見受けられた。ジョッキーがうまく乗って能力を引き出してくれたが、馬が喜んで走っている感じではない。その辺りが課題だと思います」。G1制覇直後でも修正点がいくつも上がるのは、期待の高さゆえ。「まだ隠しているものがたくさんあります。いろんなことに挑戦したいと思っています」(堀師)。ダート界のスターホースへ。カフェファラオの挑戦は続いていく。【三嶋毬里衣】

  1. お得な新入会プラン登場! 競馬情報サイト【極ウマ・プレミアム】
  2. 競馬予想に【ニッカンAI予想アプリ】