01年NHKマイルCとJCダートを制し、同年JRA賞最優秀ダートホースを受賞したクロフネが17日午後2時、社台スタリオンS(北海道安平町)で老衰のために死んだ。23歳だった。
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長く競馬を見てきたがクロフネの01年JCダートはもっとも衝撃を受けたレースだった。
舞台はタフな東京ダート2100メートルだった。クロフネは3角で一気にポジションを上げ4角で先頭に立った。松田師は「アメリカのリドパレスに乗っていたベイリー騎手は『(仕掛けが)早すぎると思った』と言っていたそうです」と明かす。だが直線でも一方的に後続を突き放し2着馬に7馬身差をつけた。
このレースはある「除外」が発端となった。
芝ばかりを走っていたクロフネは3歳秋は天皇賞・秋を目標としていた。だが当時は外国産馬の出走枠が2つしかなく除外になった。仕方なく同週に行われたダート1600メートルのG3武蔵野Sに出走し、1分33秒3という考えられない時計で2着馬に9馬身差をつけた。
天皇賞・秋に出走できていれば、ダート戦を走っていなかった可能性もあった。結果的に日本の競馬界にとって幸運な除外だった。【中央競馬担当=岡本光男】