<3週連続歴史的快挙へ アーモンド8冠伝説(4)>

史上最多の芝G1・8勝目の金字塔に再び挑むアーモンドアイに迫った連載「8冠伝説」は今回が最終回。(有)シルクレーシングの米本昌史社長(45)に、最後の秋にかける思いを聞いた。

       ◇     ◇

今度こそ、未到の頂を踏み締める。アーモンドアイを所有する(有)シルクレーシングの米本昌史社長は「いろいろな景色を見せてもらった馬。本当に感謝しかありません」と言った。クラブの規定により、牝馬は6歳3月末が引退の期限となる。深まる秋が、別れの近づきをいやが応でも感じさせる。

「あの馬にとって、間違いなく最後の秋になります」

最後の秋-。ラストシーズンの始まりには、昨年に続いて天皇賞・秋を選んだ。「府中は結果が出ているし、(東京2000メートルは)ベストかなと思います」。G1・7勝中4勝を東京で挙げ、そのどれもが圧勝に次ぐ圧勝。広くて、スピードと脚力が問われるコースを、史上初の芝G1・8勝目の舞台に決めたのは当然の流れだった。

歴史が変わる。そんな予感がある。安田記念から中20週は昨年と同じローテだ。牝馬の5歳秋。馬によっては能力のピークを保つことが難しい時期でもある。だが、最強牝馬は違う。まだ“上”があった。

「安田記念後に牧場で馬を見た時は、腹回りとかトモが別馬のようにしぼんでいました。こんなに変わるのか・・・、と。ですが、思いのほか早く馬体も戻り、状態面は去年と遜色ない状態でトレセンに送り出すことができました。(調教に)乗っている人の話だと走りのブレがなくなって、さらに体幹がしっかりして完成形に近づいたと聞いています」

8冠の壁を突き破る準備は整った。米本社長は「コンディションがしっかり整えば、毎回すごいパフォーマンスを見せてくれる。無事に事が進めばおのずと結果はついてくると思います。国枝厩舎にルメールさん、あのチームに任せておけば間違いない。祈るだけです」と全幅の信頼を置いている。夏場のオーバーホールを終え、最終追い切りも予定通りに完了した。女王は変わらず女王のまま秋を迎えられる。馬番は9番に決まった。偉業達成の瞬間がいよいよ近づいてきた。【松田直樹】(おわり)

  1. お得な新入会プラン登場! 競馬情報サイト【極ウマ・プレミアム】
  2. 競馬予想に【ニッカンAI予想アプリ】