史上初の凱旋門賞3勝に王手をかけるエネイブルを包囲するように、アイルランドのA・オブライエン厩舎が5頭ものガリレオ産駒を送り込むことになりました。

パリにおもむく5頭は前売り1番人気の3歳牝馬ラブを筆頭に、3歳牡馬のモーグルとサーペンタイン、それに4歳牡馬のジャパンとソヴリン。すべてがG1ウイナーという豪華な顔ぶれです。

エネイブルをおさえて優勝候補の最右翼となっているラブは、今年に入ってから3連勝中。日本の桜花賞にあたるG1英1000ギニーを4馬身1/4差で制し、続くG1英オークスは、さらに差を開いて9馬身差の圧勝。古馬混合のG1ヨークシャーオークスも5馬身ちぎる桁違いの強さ。新女王をたぐり寄せようとしています。

3歳牡馬を代表するモーグルはジャパンの全弟で、1歳セリでの落札価格が5億円超えの高馬。凱旋門賞と同コース同距離で行われたG1パリ大賞を、凱旋門賞のレコードに肉薄する好タイムで勝ったことでにわかに注目を集めています。

G1英ダービーを逃げ切って大穴をあけたサーペンタインは7万2000ユーロ(約900万円)の追加登録料を支払って参戦。休み明けのG1パリ大賞は、控える競馬で4着でしたが、A・オブライエン師が合格点をつけて出走に踏み切りました。

昨年8月のG1英インターナショナルS以来、勝ち星のないジャパンは、日本から武豊騎手を迎えての挑戦。昨年はG1パリ大賞に勝って、凱旋門賞で4着だっただけに穴馬の資格は十分にありそうです。

もう1頭のソヴリンも、昨年の愛ダービー以来、勝っていませんが、その先行力が買われて軍団の一員に加わりました。

A・オブライエン調教師は、これまで07年のディラントーマス、16年のファウンドで凱旋門賞を2勝しています。初優勝の時は4頭出し、ファウンドの時は選抜した3頭が3着までを独占するという快挙でした。その一方で、17年と18年は今回と同様に5頭で臨みながら空振りに終わっています。今年の「5頭出し」は吉と出るか、凶と出るか・・・。

菅新総理と同じ「99代目」の凱旋門賞優勝の栄誉はどの馬の頭上に輝くのでしょうか。

【奥野庸介】(ターフライター、ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)

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