3日間開催の中日に行われる秋華賞トライアル・ローズS(G2、芝2000メートル、20日=中京、3着まで優先出走権)で、デビュー2年目の団野大成騎手(20=斉藤崇)と、2連勝中のシャムロックヒル(牝3、佐々木)がG1舞台の出走権を狙う。ともに夏の北海道で結果を出してトライアルに挑む、上がり馬ならぬ“上がり人馬”。その勢いに注目だ。

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20歳の団野騎手と良血3歳牝馬シャムロックヒル。人馬ともにこの夏、勢いをつけた。シャムロックは札幌で2連勝。前走の手綱も取った鞍上は「前走はいい競馬ができた。今週の動きは良かったし、今の状態でどこまでやれるかですね」と、コンビで挑む秋華賞トライアルを楽しみにする。

そんな団野騎手も今夏、函館で10勝、札幌で7勝と飛躍した。年間勝利数でも1年目の26勝を大きく上回り、すでに47勝。ただ、すべてが順調だったわけではない。7月のラジオNIKKEI賞ではバビットに騎乗予定だったが、当日の7Rで落馬負傷。ベテラン内田騎手に乗り替わったバビットは、逃げ切り勝ちを決めた。「病室で見ていましたが、直線はテレビを消しました」。今は笑って話せるが、当時は悔しさのあまり、ゴールの瞬間を見ることができなかった。

痛い思いをしたうえに、苦い思い出となったが、今は前向きにとらえている。「今までは自分から危ないところに入ってしまっていた。今は以前よりも周りがワイドに見える。そういう意味では勉強になった」と自身の成長に変えている。

同期の活躍も刺激だ。岩田望騎手は現在51勝でリーディング9位。自身の同14位を上回る。「年末までに望来を抜きたいです。今年はいいスタートを切れて、いい流れで乗れています。秋は本場で乗ることにしました。ひとつひとつ、勝ち星を積み重ねていきたいです」。夏の“上がり人馬”がG1舞台への切符をつかむか、注目だ。【辻敦子】

◆大活躍の同期生 デビュー2年目・団野騎手の栗東の同期は、岩田康騎手を父に持つ岩田望来騎手、斎藤誠師の息子・斎藤新騎手、亀田温心騎手の3人。岩田望騎手は現在51勝でリーディング9位。斎藤騎手は今年のCBC賞(ラブカンプー)で同期一番乗りとなるJRA重賞初制覇。亀田騎手は1年目の12勝を大きく上回る31勝をすでに記録し、飛躍を遂げている。

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