<セレクトセール2020>◇初日◇13日◇北海道・苫小牧市

誰もが驚く落札額だ。国内最大の競走馬セリ「セレクトセール2020」が13日、北海道苫小牧市のノーザンホースパークで行われた。初日の1歳セリではディープインパクト産駒のシーヴの19(牡)が1歳馬史上最高額となる5億1000万円で落札された。落札者は冠名「ショウナン」で知られる国本哲秀オーナー。この日、同産駒は上場13頭中9頭が1億円超え。昨夏、ディープはこの世を去ったが、協奏曲は今年も続いた。(落札価格はすべて税抜き)

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衝撃の新記録が出た。主役はセリの中盤に登場した。上場番号114、シーヴの19が青鹿毛の馬体をきらつかせ、壇上に上がる。スタートは1億円から。熱戦の火種は即座に業火へと姿を変えた。1000万円ごとにつり上げられる値段、誰も下りない気迫が会場に張り詰めた空気をもたらした。乾いたハンマーの音が響いたのは5億1000万円に到達してから。1歳セリ史上最高額取引は冠名「ショウナン」の国本哲秀オーナーによって終止符が打たれた。

いくらかかっても手に入れたかった。国本オーナーは「いくだけいこうと思った。10億まで下りないつもりだった。セリまでに3、4回下見に来ましたが、最初から決めていた」とほれ込んでいた。この日、初の落札馬が5億円ホース。約2時間前に4億円で同最高額を更新したフォエヴァーダーリングの19には目もくれず、虎視眈々(たんたん)と、一戦必勝を狙っていた。

昨年7月に急逝したディープインパクトの子。上場13頭中9頭が億超えを果たしたが、関係者、馬主の評価は1頭だけ突き抜けてた。同産駒の当歳馬は国内には数頭だけで14日のセリには上場馬がおらず、父ディープインパクトの馬はプレミア級の価値がある。同馬を生産したノーザンファームの吉田勝己代表は「久しぶりにしびれました。さすがにすごい。血統もなにもかも素晴らしい馬。セリもディープはほぼ最後ですからね」と目を丸くした。まれに高額馬取引が生じると、どこからともなく拍手が起きるが、今回はそれもない。誰もがあっけに取られる“超”高額馬だった。

夢を託せるだけの良血だ。半姉キャスリンソフィアは16年ケンタッキーオークス馬という良血。国本オーナーは「(値段というよりも)走ってくれれば。あと何年、馬主を続けられるかわからないから」と続けた。順調に成長を遂げれば、21年夏以降にデビューを迎える。その値段に見合う活躍で、亡き父の名声をさらに高めていく。【松田直樹】

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