大穴をあけるのはいつも逃げ馬です。例年より1カ月遅れて行われた英ダービー(G1、芝2410メートル、4日)は英2000ギニーの覇者で1番人気カメコが4着に敗れ、波乱となりました。

勝ったのは6頭を送り出したアイルランドのA・オブライエン厩舎のサーペンタイン(牡3)。ペースメーカー役を担っての出走でしたが、道中気持ちよく逃げられたことで後続を5馬身半ちぎって第241代ダービー馬の座に就きました。

1週前に未勝利を勝ち上がったばかりで、単勝26倍は16頭立ての8番人気タイ。2番手追走から2着に粘り込んだハリーファサットは単勝51倍の13番人気。3着も先行したアウラーンナヴィーアンで単勝67倍、14番人気の伏兵でした。現地での3連単は2万9882倍。1ポンド買っていた場合、払い戻しは日本円で約400万円という超大穴です。

騎乗したE・マクナマラ騎手は、ムーア騎手を筆頭に7人いるオブライエン厩舎の所属騎手。普段は主に大厩舎の調教を受け持っていて、これが今年初勝利。英ダービーはもちろん初騎乗でした。次男のドナカ・オブライエンが21歳の若さで調教師に転身して騎乗者が足りない事情も重なり、マクナマラ騎手の出番も増加。愛ダービーでは人気薄のタイガーモスで、勝ったサンティアゴに頭差まで迫って見せ場をつくりました。

ビッグレースにおけるオブライエン厩舎の多頭数出しはいつものことですが、穴があくのは無名騎手が実力を秘めた馬で出場した時。17年英ダービーでも当時無名のP・ベギー騎手が16番人気のウイングスオブイーグルスで勝って、単勝41倍の大穴をあけています。今回もキャリアこそ見劣っていたものの、サーペンタインの血統は父ガリレオ。母リメンバーフェンは英オークス2着馬で、兄は06年愛ダービーや07年凱旋門賞を制したディラントーマスと筋が通っていました。

翌5日のエクリプスSもガイヤースが逃げ切り勝ち。欧州では軽く見られることの多かった逃げ馬に脚光が当たっています。

【奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)

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