<極ウマPOG取材班がピックアップするノーザンファーム生産馬で指名競合確実の良血馬・牡馬編10頭>

“帝国”の存在抜きにしては、POGは語れない。日本が世界に誇る大牧場、それがノーザンファームだ。吉田勝己代表が、父である故・善哉氏が71年に開場した社台ファーム早来(北海道安平町)を父の死後に引き継ぎ、94年に名称を変更してから現体制となっている。美浦、栗東の両トレセンからそう遠くない場所にノーザンファーム天栄(福島県天栄村)、ノーザンファームしがらき(滋賀県甲賀市)の前線基地をもうけ、トレセンと牧場の連携円滑化にも成功した。もともと好成績を収めてきた生産馬たちは近年、さらに重賞を勝ちまくっている。

昨年は生産馬がJRAの平地G1を19勝。ダービーこそ飛野牧場生産のロジャーバローズ(育成はノーザンファーム)に持っていかれたが、その他の3歳G1は全てノーザンファーム内で生まれた馬が勝利している。今年のダービーにも半数の9頭がゲートインした。生産馬の好走することで、繁殖牝馬の質も年々向上。海外からも積極的に“血”を取り入れている。この好循環にかげりは見えず、まさにこの世の春を謳歌(おうか)している。全体的に良血ばかりだが、G1進出を狙える精鋭たちをここでは紹介したい。

◆アークライト(牡、藤沢和、父ディープインパクト、母ヒストリックスター)はキャロットファームの所有馬。14年桜花賞馬ハープスターは全姉にあたる。同馬はそれ以来のディープ産駒となり、1歳秋にノーザンファーム空港へ移動してきた直後からトップクラスの評価を得ていた。祖母は2冠牝馬ベガ。伯父4頭は99年ダービー馬アドマイヤベガなど、JRAでデビューした全頭が重賞を勝っている。藤沢和師は「馬格が立派でいい馬。牧場での評価も高い。走りそうだよ。クラシックに連れて行かないとな」と大きな期待をかける。

◆ルペルカーリア(牡、友道、父モーリス、母シーザリオ)はキャロットファームの所有馬でエピファネイア、リオンディーズ、サートゥルナーリアに続く史上初の4きょうだいG1制覇がかかる。母は日米オークス優勝馬。牡馬は種牡馬を問わず未勝利で終わることはなく、確実に勝ち上がる優良株だ。父が新種牡馬モーリスに替わっても、大舞台進出が期待できそうだ。ダービートレーナーの友道師も「雰囲気はある」と高く評価している。

◆クルーク(牡、中内田、父モーリス、母クロノロジスト)は金子真人HD所有馬。キングカメハメハ、ディープインパクト、マカヒキ、ワグネリアンに続く同オーナーのダービー5勝目が意識できる1頭だ。2歳上の半姉ノームコアはヴィクトリアMを、1歳上の半姉クロノジェネシスは秋華賞を制している。

◆ブエナベントゥーラ(牡、堀、父モーリス、母ブエナビスタ)はサンデーレーシング所有馬で、父母合わせてG1・12勝を挙げた話題馬。6月6日の東京芝1600メートルでのデビューが決まっており、加速時には母に似た沈むようなフォームを見せる。いかにも走ってきそうな1頭だ。

◆シャフリヤール(牡、藤原英、父ディープインパクト、母ドバイマジェスティ)はサンデーレーシング所属馬。募集時には今年のクラブ最高額タイとなる1億2000万円(1口300万円=40口分)の値がついた。母は米G1馬。全兄アルアインは17年皐月賞、19年大阪杯を優勝し、今年から種牡馬として活躍している。

◆ドゥラモンド(牡、手塚、父ドゥラメンテ、母シーズインクルーデッド)はシルクレーシングの所有馬で、牡馬の兄2頭が重賞ウイナー(サンデーウィザード、ヒーズインラブ)。ノーザンファーム早来の育成厩舎では、最も早く調整が進んでいた組にいた。すでにゲート試験には合格しており、デビューが待たれる。

◆スワーヴエルメ(牡、木村、父ドゥラメンテ、母アイムユアーズ)はNICKS所有馬。現役時に重賞4勝を挙げた母の3番子となる。3月中旬に行われた2歳馬撮影会では早くも古馬の風格を醸しだし、ひときわ大人びていた姿が印象的だった。均整の取れた好馬体の持ち主で、距離ももちそう。

◆サトノスカイターフ(牡、池江、父ディープインパクト、母シーヴ)はサトミホースカンパニーの所有馬。半姉キャサリンソフィアは米G1ケンタッキーオークスに加え、G2も2勝した実力馬だ。9月の阪神開催あたりでのデビューが見込まれている。

◆セブンサミット(牡、石坂正、父モーリス、母シンハライト)はキャロットファーム所有馬。オークス馬の母の初子となる。母は現役時は馬体重420~430キロ台と小柄だったが、同馬は初子ながら育成段階で490キロと馬格に恵まれた。祖母シンハリーズは米G1デルマーオークス勝ち馬だ。

◆ザレストノーウェア(牡、友道、父ディープインパクト、母ミュージカルウェイ)は大塚亮一オーナー所有。19年セレクトセール1歳部門で最高額となるで3億6000万円(税抜き)の値がついた。全姉ミッキークイーンはオークス、秋華賞の牝馬2冠を達成。

【極ウマPOG取材班】

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