サウジアラビアで今月29日に行われる国際招待競走の舞台、キングアブドゥラジズ競馬場に完成した新・芝コース(左回り、1周1800メートル)のお披露目を兼ねた試走会が1月29日に行われました。

試走会に来場したのはサウジ王族の所有馬にも騎乗したことのあるL・デットーリ、W・ビュイック、J・ドイル、それにD・タドホープの4騎手。メインコースの内側にあった調教用コースが転用されて出来上がった新・芝コースは、ウィンブルドンのグラスコートや英国のアスコット競馬場などに芝を根付かせたスポーツ用グラウンドの開発・管理を専門に行う英国のSTRI(スポーツターフ研究所)の手によるもの。総賞金2000万ドル(約22億円)のサウジC創設に伴って同時に芝のレースが行われることが決まった昨年10月からわずか4カ月で見事なターフが姿を現しました。

試走会のために用意された現地の現役競走馬にまたがってコースを周回した各騎手はそれぞれ、「大成功」(デットーリ騎手)、「フェアで素晴らしいコース」(ビュイック騎手)と称賛の声を上げて実戦での使用に太鼓判を押しました。

実際に踏んだわけではありませんが、写真や動画で見る限り芝の成育が良いのか草丈は長め。「炎天下にさらされてもクッションの利いた馬場」(STRIの担当者)は、馬の脚に優しい馬場を好む「欧州仕様」に映ります。

芝コースのこけら落としレースは、サウジCデーの当日に行われる芝2100メートルのネオムターフC。ここには英国ニューマーケットを拠点に今年も世界を駆けるディアドラが出走を予定しており、この競馬場の芝コースの勝ち馬第1号になる可能性を秘めています。

29日はこの他にも1351ターフスプリント(芝1351メートル)、優勝賞金150万ドル(約1億6500万円)のレッドシー・ターフH(芝3000メートル)が行われます。

【奥野庸介】(ターフライター、ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)

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