<愛知杯>◇18日=小倉◇G3◇芝2000メートル◇4歳上牝◇出走16頭
ベテラン柴田善臣騎手(53)騎乗のデンコウアンジュ(牝7、荒川)が直線で内を鋭く伸びて差し切った。
19年福島牝馬Sに続きベテランコンビがまたも重賞を制覇。勝ち時計は2分1秒1。柴田善騎手は重賞95勝目にして小倉重賞は初勝利。史上6人目のJRA全10場重賞制覇へ函館を残すのみとなった。
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勝者をひと目みようと大勢のファンがウイナーズサークルに集まった。引き揚げてきた柴田善騎手は、開口一番「やったやった!」。ファンの声援、関係者の祝福を一身に受け、「小倉で初めて重賞を勝てた。うれしい。ホント、ありがとうです」と感謝の言葉を並べた。
返し馬が終わると、具合の良さを感じていた。何かがいつもとは違う。「シャンシャンと歩いていた。ごねたりしない。これは雰囲気がいいぞと」。レースではいつも通り、後方で脚をためた。終始持ったままでも、馬は位置取りを上げていく。直線入り口では好位馬群の後ろで、抜群の反応をみせた。絶妙のタイミングで内にもぐり込み、さらに加速。レイホーロマンスをかわし外から迫るアルメリアブルームを首差退けた。「4角まで持ったまま。手応えがすごく良かった。馬がすごく動いてくれた」。JRA現役最年長ジョッキーの相棒を信じる手綱さばきが、最後のひと伸びを生んだ。
人馬ともに、昨年福島牝馬Sを制して以来の重賞制覇。柴田善騎手は「これからも、馬の力を借りながらできる限り頑張る」と先を見据えた。次走は未定だが、ベテランコンビの進撃は終わらない。【網孝広】