<武蔵野S>◇9日=東京◇G3◇ダート1600メートル◇3歳上◇出走16頭◇1着馬にチャンピオンズC優先出走権
9番人気の伏兵ワンダーリーデル(牡6、安田翔)が直線で突き抜け、重賞初制覇を果たした。横山典弘騎手(51)の騎乗で勝ちタイムは1分34秒6。
2着に8番人気タイムフライヤー、3着に13番人気ダノンフェイスが入り、3連単はレース史上最高払戻金となる235万3630円の大波乱になった。
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西日を浴びながらワンダーリーデルの528キロの巨体が躍動した。直線半ばで抵抗するタイムフライヤーを振り切った。横山典騎手は「強かったですね。最後ははじけてくれた」とほほ笑んだ。1分34秒6の勝ちタイムは良馬場に限れば01年クロフネ(1分33秒3)に次ぐ史上2位の数字。文句のない勝ちっぷりだ。
引き締まった流れの中、向正面は後方4、5番手。4角で内ラチ沿いを上昇し、直線は加速しながら先行馬群の外へ出していく。鞍上が「ベストポジションが取れた」と振り返ったようにコース取りも完璧だった。
4走前、今年2月のフェブラリーS(9着)は解散した沖厩舎所属。現在、管理する安田翔師は「自分が(調教で)乗せてもらったときに大人びたところがあって、東京は合っていると感じました。この舞台でこの走りですから」とうなる。チャンピオンズS(G1、ダート1800メートル、12月1日=中京)への出否は保留したが、来年は根岸S(G3、ダート1400メートル、2月2日=東京)からフェブラリーS(G1、ダート1600メートル、同23日=東京)の好走を早くも思い描いている。【木南友輔】