<札幌記念>◇18日=札幌◇G2◇芝2000メートル◇3歳上◇出走14頭

いざ、世界へ。3番人気ブラストワンピース(牡4、大竹)が馬群の内から抜け出し、昨年の有馬記念以来となる勝利を挙げた。勝ち時計は2分0秒1。初コンビの川田将雅騎手(33)と馬群の間をこじ開けた。

前走目黒記8着敗退で凱旋門賞(G1、芝2400メートル、10月6日=仏ロンシャン)挑戦プランに暗雲が垂れこめていたが、この快勝で晴れて参戦が決定。3着に入ったG1・2勝馬フィエールマン(牡4、手塚)と、イギリスのニューマーケットに滞在することも発表された。

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試練を乗り越えた。

直線入り口、イン狙いに切り替えたブラストワンピースの進路が狭くなった。結果次第では凱旋門賞参戦は幻となる。再加速の難しい大型馬に訪れた絶体絶命のピンチ。巨体を揺らし、希望の扉を切り開いた。わずかな隙間を突いて抜け出し、連覇を狙ったサングレーザーを首差捉えた。テン乗りの川田騎手は「展開を思えば苦しいなと思っていた。最後はこの馬の力でねじ伏せた。まずは結果が出てホッとしています」と話した。G1・2勝馬フィエールマンも、ダービー馬ワグネリアンも従え、グランプリホースが復活した。

堂々の日本代表だ。今年1月のJRA賞授賞式で、凱旋門賞挑戦プランが発表されていた。大阪杯6着後の出直し戦では、G1の宝塚記念ではなく目黒記念を選択。本番での重量59・5キロ対策として、酷量必至のハンデ重賞に参戦。段階的に課題をこなす想定をしたが、59キロを背負っての高速馬場に泣く8着。世界へ出るために、今回、何よりも欲しいのが結果だった。

今回は道中の行きっぷりも良くなく、530キロ超の大型馬にとって立ち回りの器用さも必要とされる最内枠。それでも、最後は勝った。大竹師は「洋芝適性も味方したのかな。今回は絞る意識を持たずにできた」と振り返る。函館入厩の段階で馬体は普段の帰厩時より10キロ近くシェイプアップ。涼しい環境に旺盛な食欲はさらに増し、入念な乗り込みに応える好循環が生まれていた。

視線はロンシャンの舞台を見据えている。大竹師は「400メートル距離が長くなるのは競馬がしやすくなる」と展望を語り、川田騎手は「あくまで凱旋門賞に向けての札幌記念。胸を張って、日本代表として行ければと思う」と締めた。この日3着に下したフィエールマンと、来月以降にイギリスで調整を開始する見通し。今ならはっきりと言える。待ってろ世界、と。【松田直樹】

○・・・ノーザンファームの吉田勝己代表は日本馬の悲願成就に手応えをつかんだ。生産馬ブラストワンピースの豪快な抜け出しに「先につながる勝利だよね」と破顔一笑。過去にも生産馬のハープスターが14年札幌記念1着から凱旋門賞に参戦(6着)している。「この馬もいいローテでやれるし、2400メートルは絶対いい。タフなコースはもっといい」と夢舞台を心待ちにした。

○・・・シルクレーシングの米本昌史代表は「チャレンジしたいと思います」と、凱旋門賞参戦にゴーサインを出した。週中には函館に出向き、最終追い切りをチェック。激走を予感していた。「調子も良さそうだったので期待していた。川田騎手も勝負の騎乗をしてくれて素晴らしかったです。洋芝も合うので楽しみですね」と興奮気味に語った。

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