11頭が参戦予定のキングジョージ6世&クイーンエリザベスSの1番人気に支持されているのは、前人未到の凱旋門賞3連覇を狙うエネイブルです。前売りの単勝オッズは2倍を切る1・67倍。今年の始動戦となった6日のエクリプスS(G1)を快勝しました。主戦のデットーリ騎手を背に直線入り口で先頭に立ってマジカルに3/4馬身差。一昨年に続く2度目の「キングジョージ」制覇に向けて順調ぶりをアピールしました。

2番人気は初コンビとなったデットーリ騎手によって先月19日のプリンスオブウェールズS(G1)に勝ち、ロンジンワールドベストレースホースランキングで1位に躍り出たクリスタルオーシャン。単勝は3・75倍で、今年の英ダービー馬で3番人気のアンソニーヴァンダイク(8・5倍)に差をつけています。

キーマンのデットーリ騎手はお手馬のエネイブルに騎乗し、クリスタルオーシャンのM・スタウト師は新たにJ・ドイル騎手に声を掛けました。

12月で49歳になる“アラフィフ”のデットーリ騎手ですが、周囲が驚くほどの絶好調。エネイブルと同じゴスデン厩舎のアナプルナで制した5月31日の英オークス(G1)を皮切りに、スターキャッチャーで挙げた今月20日の愛オークス(G1)まで、その期間でG1・8勝です。

エネイブルの勝ちパターンは好位から残り400メートル付近で抜け出して押し切る正攻法です。皮肉なことに最大のライバルとなるクリスタルオーシャンに同様の勝ちパターンを教えてしまったことで、今回はあっさりというわけにはいかないかもしれません。

4頭出しのオブライエン厩舎はアンソニーヴァンダイクのためにペースメーカー役としてハンティングホーンを出走させます。その直後に有力2頭が並んでレースが早めに動きだす可能性もあります。マーフィー騎手に手綱を託したシュヴァルグランは残り600メートルまでじっくり脚をためて上位争いに加わりたいところです。【奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)

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