昭和、平成、そして令和でも。ダービー最多5勝を挙げる武豊騎手(50)は、新元号となって初の競馬の祭典「第86回ダービー」(G1、芝2400メートル、東京=26日)で、弥生賞を勝った芦毛馬メイショウテンゲン(牡3、池添兼)とタッグを組む。19歳で昭和最後のダービー(88年)にコスモアンバーで騎乗して以来、30回目のダービーへの思いに迫った。

JRA現役騎手で唯一、昭和と平成のダービーに騎乗した。レジェンド武豊騎手は3元号ダービー騎乗の重みをかみしめながら、令和元年の祭典に挑む。

「今年が30回目のダービー。最初のダービーで乗ったのがコスモアンバー(88年=昭和63年)。3つの元号でダービーに乗るね」

歴代最多のダービー5勝を挙げる。今年3月15日に50歳のバースデーを迎えると「20代、30代、40代とダービーを勝ったので50代でも勝ちたい」と言った。節目のダービーの相棒は、メイショウテンゲンに決まった。「令和最初のダービーがディープ産駒でメイショウさん。縁を感じるね」としみじみ語る。

「ホースマンの夢。関係者みんなここを目指しているから、そう簡単にはいかない」と酸いも甘いも知るダービーでともに頂点に立ちたい人がいる。メイショウテンゲンの松本好雄オーナー(81)だ。父邦彦元調教師、弟幸四郎調教師と一家で親交がある。前人未到のJRA通算4067勝のうち馬主別で2位の141勝を挙げるが、ダービーに騎乗するのは30頭目で初。「メイショウさんの馬でダービーを勝てたらうれしいなぁ」。15日の1週前追い切りで初コンタクトを取り、好感触もつかんだ。「初めて乗ったけどイメージ通り。のんびりした馬だね。調教はあまり動くタイプじゃないと聞いたけど動きは良かった。直線が長いのはいいんじゃないかな。この馬は“ため待ち”でしょう」と末脚にかける。

レースでテンゲンに乗るのは初めてだが、両親はよく知っている。父は「勝たなくちゃいけない馬だった」と騎手にダービー4勝目をもたらしたディープインパクト。母メイショウベルーガにも2度騎乗し、09年古都Sで勝利へ導いた。「お母さんはズブかった。どちらかというとお母さんもやる気のない馬。でも直線に向くと走り方が変わる。背中の良さはディープ産駒だなという感じ」。鍵は、ここ2週連続G1でレコードタイムの出ている時計の速い東京の芝だろう。「弥生賞のあの馬場(重馬場)でいいレースをしていたけど、今の府中は高速馬場。芝が良すぎてすごく馬が走りやすい。雨が降らないとこの馬には厳しい。雨ごいするわ」と道悪を望んだ。

ディープインパクト産駒で、13年ダービーを勝ったキズナの初年度産駒がこの春、デビューする。早ければ来年のダービーで騎乗する可能性もあるだけに「キズナ産駒で親子3代ダービー制覇もやりたい。なかなかないと思う」。希代の“偉業コレクター”でも胸を躍らせる舞台がダービーなのだ。令和初、50代で初のダービーでもドラマを起こす。【平本果那】

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