ユウチェンジ(牡6、森、父スウィフトカレント)と、ホッカイドウ競馬の阿部龍騎手のコンビが中東カタールの競馬に初参戦します。

ユウチェンジが出走するのは、同国最大の競馬フェスティバルの“エミールズ・スウォード・フェスティバル”の中日である22日(金曜)に行われるアイリッシュサラブレッドマーケティングC(カタールG2、芝1600メートル=アルライヤン)。発走時刻は日本時間では土曜に入る23日午前1時15分の予定で、ユウチェンジは15頭立ての大外枠からの発走です。

カタールは国際セリ名簿基準委員会の格付けでまだパート3国なので、ユウチェンジが参戦するレースも国際格付けのないローカルG2になります。競馬は純血アラブによる競走が優位で、サラブレッド競馬は発展途上ですが、近年は凱旋門賞や英国競馬のスポンサーを買って出るなど王族のファハド殿下、ジョアン殿下を中心とするリーダーが競馬に力を注いでいて、隣国UAEに追いつき追い越せの勢いを感じさせています。

アイリッシュサラブレッドマーケティングCにはドイツのG2勝ち馬ディプロマット、前走のサラブレッドCトライアルの覇者ノルディックドリーム、それに14年のセレクトセールでファハド殿下に購買されて海を渡り、ドイツのG3バイエルンクラシックを制した異色の日本産馬、ウォーリングステイツ(牡5、父ヴィクトワールピサ)などが登録済み。R・ムーアやO・ペリエら欧州の一流騎手の参戦も予定されています。

首都ドーハのアルライヤン競馬場は右回りのこじんまりとした眺めの良い競馬場。芝コース1周はおよそ1500メートルで直線は約350メートル。芝1600メートル戦はスタンドの左手の引き込み線からスタートして2コーナー付近で周回コースに合流。向正面からワンターンで最後の直線に出てきます。

3年前のUAEダービー(G2、ダート1900メートル=メイダン)でラニの3着した実績のあるユウチェンジは、これが2度目の中東参戦。前回は左回りのダート戦でしたが、遠征競馬は苦にしないタイプでしょう。

平時であれば、この“エミールズ・スウォード・フェスティバル”をステップに3月末のドバイワールドCに向かう選択肢もあるのですが、現在のカタールはUAEやサウジアラビアなど周辺6カ国と国交断絶状態が続いていて中東内の往来は難しい状況。そんな中、カタールからのラブコールに応えて遠征を実現させた関係者とユウチェンジの頑張りに期待したいと思います。【奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)

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