<大阪杯>◇5日=阪神◇G2◇芝2000メートル◇4歳上◇出走14頭

 鮮烈デビューだ。JRA騎手として1カ月遅れで再出発したC・ルメール騎手(35)が、初勝利を重賞制覇で決めた。鞍下に従えたラキシス(牝5、角居)との初コンビで、単勝1・4倍と断然人気のキズナを2馬身抑え、2分2秒9での勝利。今後は流動的だが、5月3日京都の天皇賞・春(G1、芝3200メートル)も選択肢に入ってきた。

 勝者をたたえる嘆息交じりの歓声が阪神を支配した。ゴール板を過ぎ、陽気なフレンチは左手で固く握ったムチを力の限り振り下ろす。キズナ断然の空気を見事に断ち切った。「ごっつあんです!」。完全復活を期すダービー馬を倒した英雄は、ルメール&ラキシス。JRA騎手としての初勝利を伝統のG2で飾った。

 勝者の弁は謝罪から始まった。「皆様、ご迷惑をおかけしました」。調整ルームでのツイッター使用による騎乗停止でデビューが1カ月遅れた。その間に“同期”M・デムーロは、初日から阪急杯で重賞を制するなど勝利を積み上げていく。「彼は友達。いらいらは常に自分自身にあった」。ペナルティーは不注意。焦りより、もどかしさが募る。週末はテレビ観戦、調教にも積極的にまたがった。一時的にフランスに帰郷もして、心身の準備だけは怠らなかった。「パーフェクトな勝利」。苦労がすべて吹き飛んだ。

 歴戦の猛者をねじ伏せた。G1馬6頭。直線でキズナにいったんまくられても、追い出しを我慢した。「最後のコーナーですごい手応えだった。キズナが後ろから来たときは心配したけど、並んでたたき合いになって勝てると思った」。VTRで研究を重ね、重馬場でも力がそがれることがないと確信していた。必要以上に外へ出さず、馬群を縫うように突き抜けた。

 人馬の今後に光が差した。角居師は「さすがですね」と舌を巻くばかり。これで牝馬ながら天皇賞・春参戦の目も出てきた。ルメールも「3200メートルも大丈夫。乗ることが可能なら楽しみ」。つきものが落ちたように、晴れやかな笑みが輝いた。【松田直樹】

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